ロ-7
「女として魅力ない?」
私の、抱いてオーラをこーちゃんは負担だと言った。
女として魅力がないから恋人に抱いてもらえないのだろうか。
「今、ここでキスしていいのか?」
ほんの少し・・・
上ずった声でさらに私を抱きしめた。
グッと力を入れるその両腕に、守られているような感じがする。
次の瞬間、フワッとしてその力が緩められたのかと思ったら
ほんの少し私を自分の身体から離して
私のあごに手をかけた。
「イヤなら、全力で・・・逃げろ」
ゆっくりとゆっくりと。
私に逃げる時間を最大限に与えるように近づいてくる整った顔は
分からないぐらい、ほんの少しだけ歪んで
彼の心の葛藤をその眉間に表していた。
逃げようと思えば、もちろん彼を突き離してソファーから抜け出る事は可能な抱きしめられ方で
あごにかかっていない方の手は、そっと私の腰に添えられているだけだった。
「タイムオーバー」
じっと見つめ合う視線は絡み合って
阿部さんの発した言葉を境に甘くなった。
まぶたをゆっくりと閉じる。
途端に、柔らかい阿部さんの唇が私の唇にふれた。
何度も何度も、ついばむように私の唇にキスをして
少し出した舌先で私の唇をゆっくり舐めた。
その誘いに乗るように私もほんの少し唇を開く。
その行為に気がついた舌先が、私が拒否できるゆっくりとした動きで私の口内に入ってきた。