白香語り(9)-1
さて、昨日の片桐さんとの話に戻すと‥‥。わたしはさらに、疑問を聞いてみたのだった。
「その小型の装置のほうではなく、この催淫装置とあの催淫溶液を併用した場合、効果は強まるんですか?」
と。紅香の調教を通して、また桃香の調教計画を練るにあたって、出てきた疑問だった。
「ん? ああ、いや、無い‥‥強まらないよ。この本装置にかけた状態の女体にあの溶液を使っても、効き目は家庭用装置プラス溶液の場合と変わらない。何ごとにも
「そう‥‥ですか‥‥」
より強力な効き目を発揮するものかと期待していたわたしは、がっかりした。
(世の中、そううまくはいかないわね‥‥)
腕組みして考え込んだわたしに、片桐氏はなおも続けた。
「‥‥白香クンにはわからないことだろうけど、実は、うちの『研究室』の表向きの存在理由、化粧品開発というのは、まんざら嘘でもないんだ(――え?とわたしは思った)‥‥。最初は本当に、あの液体――催淫溶液の開発が目的だったんだ。特殊な化粧品、と社内ではカテゴライズされていたらしい。ところが、途中から装置の開発に主眼が置かれるようになって、僕みたいな変態技術者が呼ばれ、プロジェクトリーダーにおさまった、というわけなのさ」
片桐さんは、意外にさわやかな、白い歯の笑顔を見せた。が、わたしは、東島グループの社内事情などに興味はなく、聞き流していたのだった。
(時間はかかるだろうけど、ゆくゆくは、その家庭用装置も、手に入れたいな――いや、手に入れよう。あの幸也くんは資金源‥‥)
(そこまでいけば、もう、妹たちだけじゃない‥‥。規模を拡大できるわ‥‥)
片桐さんはなおも何か話したそうだったが、わたしの興味なさそうな態度を見て取ったのだろう、それ以上愚痴めいた話はせず、黙ってくれた。
(――学院や、あるいは他のところから、可愛くて巨乳の女のコたちをうまく連れてきて、装置にかける。そして、すぐさまおっぱい調教を施してわたしの言いなりにして、
(しばらくはわが家は巨乳調教所と化し、手狭になるでしょう。だけどまあ、それは我慢して‥‥。――そして、そのコたちをだしに、あの財団なり他のところから、もっとお金や使える