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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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物件は探さなきゃいけないけど、少し疲れた。
同棲する為に探した時は、少しでも条件にあうところと探して
ずっとネットを見ていても苦にならなかったのに。

よく言われるように結婚より離婚の方が大変なんだ。
まぁ・・私たちの場合は離婚じゃないから親兄弟を巻き込まないだけまだ楽か。

職場の近くを休日に行くのは気が進まなかったけど
人の多い横浜駅まで出るのも面倒で、桜木町で映画を見た。

話題作だったけど大して面白くもなく
大きな観覧車が見下ろせるレストランにひとりで入った。

こーちゃんと何回か来た事がある。

1つ1つの思い出が8年という長い長い歳月の中で
私の大人になってからの思い出の全てがこーちゃんに繋がっている事に嫌気がさして
ため息をついた。

思えば大学の同じゼミ生だった私たちは、友達のほとんども共通で
みんなに会った時に説明するのもめんどくさい。

ハタチで世間に大人と認められて今日まで9年。
そのうちの8年をこーちゃんと過ごしてきた。

「参ったな」

泣き叫べばこーちゃんは思いとどまってくれただろうか?

「ううん。それはない」

きっと今、どちらかがやり直そうと決心してもセックスレスは解消されないような気がする。

今日1日物件を探して思った。

こーちゃんを私はまだ愛してるんだと思う。
でも、それと同じぐらい、母親にもなりたい。
不妊症で、治療をした末の2人の人生ならまた違う。
でも・・・
セックスレスでの2人の人生を私はのぞんでいない。



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