白香語り(4)-3
「こんにちはー」
一通り責め終えたところで、片桐さんが到着した。
それは、ほぼ、わたしがベルト付のシステム手帳に記したとおりの時刻だった。ピンク色のこの子、つい衝動買いしてしまった物だけれど、使い勝手がよく、愛用している。ただ、色が色なので、もう少し落ち着いたカラーの
さて、片桐氏。さすが社会人、と言いたいけれど、時間を守らない大人が大勢いることも、わたしはよく知っている。そういういい加減な大人たちに、わたしは何度もいやな目に遭わされてきた。
(妹たちには、そんな思いをさせたくない‥‥)
矛盾しているかもしれないが、わたしは紅香のカラダを辱め蹂躙し、そしてまた桃香にも同じことをしはじめているが、一方でそういう意識も持っている。
(すべては、計画のため‥‥)
計画、とは、桃香や紅香や片桐さんに話した――あるいはまたあの海田くんにも、わたしが話した分プラス、紅香から伝わっているかもしれない――内容だけでは、ない。
彼らに話したのは、わたしの「
(あのコたちが、わかってくれる日が、来るだろうか‥‥)
わたしは、不確かな未来の見通しを思い、ふたりの可愛い妹のことを思った。紅香の泣き顔が思い出され、心が痛んだ。
(でも――いいこと、白香‥‥)
わたしは、いまは心を鬼にしなければならない状況だということを、思い直す。
(桃香のカラダを、完璧に調教するまでは――)
わたしは、決意を固めた。
午後。遅めのごはんの後‥‥。
外は梅雨。こんな季節の休日は、室内で過ごすに限る。ましてやうちでは、美少女の調教ができるのだ。
「片桐さん、どうお? 妹のカラダは‥‥。想像以上の上物でしょう?」
桃香のカラダは、年齢の割には、よく発育していると思う。特に、
「い、いや、上物とか、僕はそういう言い方は――。僕が欲しいのは、彼女の体だけなわけじゃなくて――調教は、不器用な僕の気持ちを伝えるための、あくまで手段なんであって‥‥」
等と、もごもごもごもご言う。
まったく、わたしの倍も生きてるのに、子どもみたいな人だ。カラダだけが目当てのくせに!
――と、見ると、紅香までが、感心して片桐氏の話にふんふんと聞き入っている。
(ふたりとも、なんか違ってる‥‥)
わたしは呆れてしまった。