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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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「あぁ。さっきの事ですか?」

ジンジャーエールと割ったビールは口当たりが良くて美味しい。

「そう。俺のプレゼンに割り込んできた『愛』ね」
思い出したように笑うけど、
いちいちカッコいいんだよね。

カウンターに肘をついて、顎に手をかけているけど
身体のラインに沿ったスーツはたぶんセミオーダーだろうし。
そこから覗く白いYシャツが柄モノよりも逆におしゃれに見えるのはなぜなんでしょうか?

一生懸命おしゃれを装う男性の敵だね。
さらっとスマートに基本に忠実なところでおしゃれを感じさせるんだね。
さすがイケメンエリート。

阿部さんの袖口から覗いた大きめの時計に見惚れて話をろくに聞いていなかったら

「時計に興味があるの?」
と小さく笑う。

「いいえ。高そうな時計だな。とは思いますけど。
メーカーとかには興味ないです」
あっさりとそう言えば、気分を悪くするわけでもなく
「そっか」
と毒のように綺麗なカクテルを飲んだ。

「で?なにが愛なの?」

「あぁ。結局愛があれば何でも許せるなって話です」
「へぇ・・・なにを、許してるの?―――彼の」
「ん〜。顔を合わせない毎日と。愛されていると感じる瞬間が、少ない事、かなぁ〜・・・」

あと、セックスレス・・・


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