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人形たちの話
【教師 官能小説】

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人形が人形でない話-2


「また忘れ物をしたの? 深町君」
 はい、と僕は答えるしかなかった。先生は事情を知っているから、それ以上は何も言わなかった。
「そう、なら今日はこの教科書を貸すから。次からはちゃんと持ってきなさい」
 先生は自分の教科書を僕に貸すと、先生自身は教科書なしで授業を始めた。プリントがあるから問題はないのだろう。
 なんで隣の席の人に見せてもらいなさいと言わなかったかというと、見せると隣の人がターゲットになる可能性があるからだ。
 そもそも僕は教科書を忘れたわけじゃなかった。切り裂かれて、もう読めない状態にされただけだった。
 要するに、僕はいじめに遭っていたんだ。にやにやと嗤うクラスメイトの悪意ある笑み。大丈夫。今は十月。高校を出るまでの、あと一年半の辛抱だ。そう自分に言い聞かせていた。


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