イケナイコト?-3
「自分で触って、気持ちよくなってごらん。ここで見ていてやるから」
「そんなの、できない…よ」
「大丈夫、教えてやるから。まずは、右手で、胸を触って」
「恥ずかしいよ…やだ…」
「左手は、オレがさっきキスしたところ」
「にぃさん…」
自分で触るなんて、そんなの絶対できない。
そう、思って、お願いするみたいに兄さんを見上げるけど、全然聞いてくれないって顔で、黙ってあたしを見てる。
「しないの?」
「だ、だって…しなきゃ、だめ?」
「できないなら、部屋に戻りなさい」
「う…」
突き放すみたいな言い方されて、すごく哀しくなって、あたしは小さく頷くと、ベッドの上に座り込んだまま兄さんに言われたとおりの場所に自分の両手を当てた。
「ん…ふっ……」
自分の手の温もりなのに、熱く疼いた身体にまた波が立って、思わず声が漏れる。
指先に濡れた感触が広がって、カアッと全身が熱くなる。
「そう、イイコだね」
「…は…ぁ……もう、いい?」
「触ってるだけなのに?ダメだよ、気持ちよくならないと。胸を強く揉んで。左手の中指、少し沈めてごらん」
「あ…ん…やぁっ!」
「濡れているのが、わかる?音が出るまで、かき回して」
左手の中指が一つ目の間接まで沈んで、濡れた音を響かせる。
それが恥ずかしくて、指の当たる感触が切ないくらい気持ちよくて、あたしは背中を仰け反らせた。
「あっ…あ、ああっ…っ!」
恐る恐る、指を動かしてみる。
絡まるみたいな感触。部屋中に響く、濡れた音。
「そう、聞こえる?おまえが感じている音だよ。もっと深く、沈めてごらん」
「やっ…あ、ん、にぃさ…助けて…あ、はぁんっ!」
兄さんの声、もう聞こえなくて、あたしは自分から夢中で指を動かした。
下半身からすごくえっちな音が聞こえてきて、それ、もちろん兄さんにも聞こえているはずで。
指を組んでじっとあたしを見ている兄さんの瞳に、気が狂いそうなほど切なくなる。
「あっ…にぃさん、にぃさん…やっ、いやぁっ!」
思い切って深い場所まで指を差し込んだ瞬間、きゅっと指に粘膜が絡みつく感触してぶるっと全身が震えた。
「…っ…ん…やっ…だめ、だめぇっ!やぁぁぁっ!!」
電気が走りぬけたみたいな、ショック。
直後、くたっと力が抜けて、身体を支えられなくなって、後ろに倒れそうになったあたしを、慌てて駆け寄った兄さんが抱きとめてくれた。
「イッちゃった?」
「…知らないよぅ」
くすくす笑いながら顔を覗き込まれて、あたしは恥ずかしさに耐えられなくて、兄さんのシャツをきゅっと掴んで、そこに顔を埋めた。
まだ息が苦しくて、わずかに喘ぐような呼吸を漏らすのが、やっと。
「よく出来ました」
兄さん、優しく髪を撫でてくれて、そのままベッドの淵に座って、横になってるあたしの上半身を膝枕するみたいに抱きかかえた。
包んでくれる腕の暖かさに安心しながら、あたしはうっとりと、大きく息をつく。
「これで、おしまい?あたし、兄さんのものになった?」
これで終わりなら、えっちってすごくカンタン。
痛いことなんてなかったし、だけどなんでかな、身体が物足りない感じしてる。
「さぁ、どうだろうね。今度は、おまえにしてもらおうかな」
意味がわからなくて、不安に思ってじっと見上げると、兄さん、服をちょっとくつろげて、中から兄さんの…男の人の部分を、あたしの前に出して見せた。
「口を開けて。オレの言うとおりにしてごらん」
「…ふぁっ…は…んん」
素直に頷いたあたしの唇に、兄さん、それを、押し付けてきて。
あたしの頭を両手で押さえながら、ぐぐっと強くねじ込んできた。
「あ…んむぅ!」
口の中いっぱいに押し込められて、苦しくて涙が出そうになる。