桃香語り(5)-2
お姉ちゃんが、キッチンにいるとしましょう。料理中、コンロの火がついているときは、さすがに危ないのでしませんが、
「‥‥――ちゃんっ♡」
と、わたしは背後から飛びつくのです。それをしたいときに。よくある、姉妹のじゃれあいっこみたいに。
でも、ここからが普通の姉妹とは違うのです。
わたしは、紅香お姉ちゃんの両わきから素早く手を挿しこみ、その花柄のエプロンの下にこれも素早く、潜りこませるのです。そして、
「モミモミモミぃーっ」
と、そこにある豊かなふくらみに、三度、四度と適当に、指を食い込ませるのです。それだけでもう、わたしのお姉ちゃん・蒲生紅香は、わたしの言いなりなのです。
本当です。別に「にょ体」の責め方など知らず、テクニックなんてものも持たないわたしにでも、そういうことができるのです。強弱をつけてたくみに揉むとか、服とブラジャー越しにでも乳首を狙うとか、そんな真似をしなくてもいいのです。
「ああああっ!」
ただそれだけでお姉ちゃんは、そんなふうな嬌声をあげて、その場でくたくたっとなってしまうのです。つまりそれだけ、おっぱいの感度があがっているのです。これはもう、ほとんどオモチャみたいで、面白いったらありません。
お姉ちゃんは、そのまま床に崩れ落ちます。後は、非力なわたしでも思うがまま、エプロンを剥ぎ取り、ブラウスを着ていたならそのボタンを次々に外していけば――。
ぷるるん!
そう、音がするんじゃないかと思うくらいに勢いよく、お姉ちゃんのみずみずしいオッパイが目の前にこぼれ出るのです。ま、ブラジャーはまだつけていますが。
その間、大した抵抗はありません。
「ああっ。桃香っ、やめてっ!」
なんていうふうに少しあっても、乳房を二、三度モミモミしてやれば、
「あンっ‥‥! あ、あ‥‥」
と、お姉ちゃんの全身から力が抜け、ぐったりとなるのです。でも‥‥。
「あれ‥‥。なんで泣いてるの? お姉ちゃん」
そうなのです。さっきもそれをしたのですが、そのときお姉ちゃんの目には、涙が光っていたのです。わたしは、言ってあげました。
「ここの床じゃ、下が硬くて、痛い?」
「‥‥‥‥」
お姉ちゃんは無言のまま、首をこくりと縦に動かしました。
「じゃあ、ベッドに行こうかっ。そのほうがわたしもいいしっ」
わたしが言うと、また、こくり。
こうしてわたしは今日も、紅香お姉ちゃんを、意のままにベッドに連れ込めたのでした。
どういうふうに服を脱がせたかは、省きます。とにかくわたしは、思いついてからものの十分ほどで、いまベッドの上で、お姉ちゃんの裸体に馬乗りになっているのでした。
仰向けの紅香お姉ちゃんの、両腕は頭の上のベッドの左右の柱に、両脚は足元の左右の柱にと、それぞれ開いて縄で縛りつけてあります。それで、お姉ちゃんのカラダは、ちょうど「X」の字のようになりました。そのぷるんとした豊かな双乳は上に向き、
「これで、なにもするなって言うほうがおかしいよね、お姉ちゃん♡」