桃香語り(3)-3
「あらあら紅香。このコたちは、期待してるみたいよ♡」
白香お姉ちゃんは、今度は右の乳首をツンツンしながら、にやにやとそう言い放ちました。
「ふふふ。右と左、どっちからにしてほしい? ――ま、結局どっちも挟むけどね♡」
「ああ‥‥」
白香お姉ちゃんが言うとおり、紅香お姉ちゃんはすっかり怯えて目を閉じ、眉をぎゅっと寄せているというのに、その胸の豊かな双乳にちょこんちょこんと乗っている桜色の蕾たちは、すっかりじゅう血して、それぞれツン!ツン!と尖っています。
(うわ、いやらしすぎ‥‥!)
わたしは、ごくりと息を飲んでいました。まるで、主の紅香お姉ちゃんの清純な顔を裏切るかのように、なまめかしく、いやらしく、何かを待ち受けているかのように震えているお姉ちゃんの矛盾な乳首の美しさに、見とれていたのでした。
「ひあうっ!」
そんなわたしの観賞タイムは、しかし、長くは続きませんでした。白香お姉ちゃんがついに、紅香お姉ちゃんの右おっぱいの蕾を、銀の洗濯バサミでつまみ、そしてぱっと手を離したのです。
「ああっ、取ってっ。取ってえええぇ‥‥!」
紅香お姉ちゃんは大きく目を開け、涙を流しながら、緊縛された体を揺すって悶えます。しかし、それほど動かせるわけではなく、固定された椅子にガタガタを音をさせただけにとどまりました。
白香お姉ちゃんはあまり間を空けず、左おっぱいの乳首ももうひとつの洗濯バサミでつまみ、手を放しました。
「ああっ! くううっ‥‥!」
かわいそうな紅香お姉ちゃんは、いっそう激しく悶えます。鈍い銀の光を放つふたつの洗濯バサミが、複雑な線を宙に描きます。そして、ガタガタと激しく揺れる椅子を手で押さえながら、、白香お姉ちゃんは、
「ふふふ‥‥。紅香あなた、まえに『洗濯バサミは小さなお友達』とか言ってたでしょう? わたしはジンジャーエール飲んでるから、しばらくガマンして、小さなお友達といっしょに遊んでなさい♡」
とカラカラ笑いながら、ひと仕事終えた、というふうに髪をかき上げて、冷蔵庫に向かっていきました。
わたしは、自分はどうしようかと思っていましたが、
「桃香、あなたは次の準備をして。――ほら、あれを持ってきて‥‥」
と白香お姉ちゃんに命ぜられたので、それに従うことにしました。
そのわたしたちの背後で、紅香お姉ちゃんは、
「取ってっ、取ってえっ。わたしのお乳首から洗濯バサミ、取ってえええっ‥‥!」
と泣き声をあげていました。
しかしわたしは――たぶん白香お姉ちゃんも――感じていました。その嗚咽のなかにも、紅香お姉ちゃんの甘いエッチな響きが、かすかに含まれているのを。
(これが、「にょ体調教」かあ――)