白香語り(4)-1
(今日は、もうこれくらいでいいかな‥‥)
わたしは、ベランダからリビングに本式に戻った。そして、桃香を呼んでジンジャーエールのグラスを渡すと、紅香と海田くんの前に立った。女王様――支配者のように。
重なるといっても、ふたりはいま、体を離して並んでソファに腰をおろしている。海田くんもどうやら、おっぱい舐めプレイに飽きたようだ。その、成果といってよいのか、紅香の盛り上がった
紅香は、そのおっぱいをさらけだしたまま、なかば放心状態だった。桃香がちょうど帰ってきたので、その体を拭かせることにした。
「あん‥‥。あん、あ‥‥んん‥‥」
タオルでおっぱいや周辺をぬぐわれることで、紅香はやっと我に返ったようだった。が、同時にすぐにまた、そのやわらかな布地の刺激も快いのか、大きくはないが甘い声で鳴きはじめたのだった。幼い桃香も、自らの手の動きで自分の姉のおっぱいが、くにゅ、くにゅう、と形を変えることに、そしてその姉の紅香が、
「ふう‥‥あふう‥‥」
と、嬌声とまではいかないが、単なる声とは異なる、明らかに官能の響きを含んだ喘ぎ声をあげることに、面白さを発見したようだ。まるで子猫がおもちゃにじゃれつき執着するように、唾液、汗の類が姉の肌から消えても、つぶらな目を好奇心に光らせ、飽くことなくその作業を続けていた。
紅香は、妹のその悪戯を、されるがまま、無抵抗に受け入れていたが、そのままだと桃香のその遊びは、いつまでも続きそうだった。
見ると、海田くんも、げんなりとした
あるいは‥‥。
わが妹たちながら美少女ふたり――内ひとりは裸体――のその行為を見て、燃えて――萌えているのかもしれない。それは、見抜けなかった。
(男のヒトはだいたい、そういうのが好きだけど‥‥)
わたしは腕組みして、考えた。
(彼はそこらへん、どうなのかな――)
関係ないが、バスト百センチを超えるわたしがこうして胸の前で腕を組むと、どうあっても、ぷにゅぷにゅ――いや、むにゅむにゅ、かな‥‥というやわらかな感触と同時に、胸からも快い刺激を感じ、なんだか変な気分になってくる。ましてや、目の前で紅香のやわらかおっぱいが弄られ、ふにゅう、ふにゅう‥‥と形を変え続けているのを見ていると。
(もし――‥‥)
わたしのなかに、悪戯な考えと奇妙な思いとが、ごちゃまぜになって湧き起こってきたのだった。
(もしも海田くんが、紅香以外の女に興味を示すことを恥じるような純情少年なら、いつか、桃香とからかってみるのも面白いかも。桃香と、そしてわたしで。彼の前で
という、まあ計画のリーダーとしての発想と、
(わたしも、このおっぱいを弄られたら、紅香みたいにはんはん感じちゃうのかな‥‥)
という、乙女な思いとが‥‥。
(え‥‥? い、いや、ちょっと待って――)