あなたは平凡な男子校生。(3)-2
「そのまんまよ。あのコのやわらか
そんなとんでもないことを、なぜ頼むのか。とうぜん脳裏に浮かんできた疑問を、あなたは蒲生白香に尋ねた。しかし、
「
と、蒲生白香はしれっとして、あなたへの返答を拒んだのだった。
「‥‥‥‥」
「ま、少なくとも、いまは、ね‥‥。計画が進んだら、まあ、教えてあげるというか、わかってくると思うけど。――それまでは、悪いけれど、好奇心は抑えていておいてほしいな」
計画ってなんだろう‥‥と疑問のランプを頭のなかで点灯させるあなたに対して、蒲生白香は、駆け引きモードに入ったようだった。
「いや、抑えておいてくれないと、この仕事は任せられないな。――安全はね、もちろん保障するわよ。わたしたち姉妹以外の誰にも話さない。それは約束する‥‥。もちろん海田くんにも、他言無用を――誰にも口外しないことを、要求させてもらうけどね♡」
仕事、他言無用‥‥並べられた硬い言葉のいくつかに、あなたは戸惑った。
「ぶっちゃけ、誰でもいいのよ。秘密さえ守ってくれれば」
蒲生白香は、髪を払ってつづける。
「そして、変なことを考えない人なら、ね――」
「へ、変なこと?」
おうむ返しに尋ねつつも、再び沸き起こってきた動揺を、あなたは隠せなかった。
(む、むむ‥‥)
彼女は、こうして髪を払う仕草だけでも十分に色っぽいのだが、さらにそれにつれて、木目のテーブルに乗るような形の彼女の爆乳が、あなたを誘うように、にりにり、にりにり、またにりにりと左右に動き、そしてまたその白いスクールシャツの上で、エンジ色の細いリボンも揺れていた。
(あー、俺、女子校生の制服は、広がったリボンリボンしたタイよりも、こっちがなんか好きだなあ‥‥)
あなたは――冷静にというよりは漠然と――そんなことを思ってもいた。
(なんでだろう‥‥?)
だが彼女は、そんなことはおかまいなしに、あなたに告げてきた。
「調教期間のあいだ、紅香を彼女にしよう――とか思わないこと」
それは、あなたは思ってなかった。そういう話ではないとわかっていた、というより、そもそもそこまで具体的に考えていなかった。だから、反発する気持ちは起こらなかった。