支配者から逃れた先に待っていたのは、支配者でした-2
栞理の温もりも消えていて、起き上がろうと身体を起こすと、ずきりと下腹部が痛む、何かしらって、生理痛とかの痛みじゃない、拍動に合わせて痛む、けっこう痛い。
下腹部に手を這わせると、ナプキンが当てられていて、きょとんとしてしまう、そんなのした覚えがないから……そういえば昨日の夜の記憶がなく、えっ、一体何だろうって、でも、痛みは間違いないし、おそるおそる指でナプキンを剥がすと、それの理由があった。
陰核の少し上のとこに、小さな金属の輪が赤黒い血液の固まった状態で付いていたの、何だろうって指で触れると、
「つうぅぅ……」
ずきりと痛んだ。
栞理とセックスしてからの記憶がすっぽり抜け落ちていたけど、状況から考えられることはそれしかないだろう、寝ているうちにピアスを刺し込まれたんだ、誰に? 彼女に……
翌朝登校時、栞理の手を握って、仲良くバス停へ向かう、思春期の姉妹が手を取り合うなんてありえないけど、あたしたち二人なら何も怖くは無い、だって順子は栞理のオンナだもん、そのことをわかっているから栞理は順子に性器ピアスという罰を与えて、許してくれたんだ、最低の暴力だけど、とっても恐ろしくてめんどくさくてウザいけど、彼女のものになれたという変な自信も付けれた気になれた、でもどうしてだろう、ママから逃げて気が晴れると思っていたのに、この重苦しさは、こんなにカワイイ彼女と一緒になれたのに……楽しくない……そんなはずはないんだと、心の中で必死に否定するのよ。
それから二週間、陰核の傷がいえるまで、彼女はベットへは誘わなかった、やっぱりやった事の意味が分かっているのだろうって。