ギルティ、仮面に隠した-2
「我が身をアヤブム者。 我が盾に阻まれ消え失せろ」
皐月の前の空間に不可視の壁が現れ、ぶつかったドミドは跡形もなく粉砕される。
皐月の顔はにこやかな笑顔ではなく、冷めた目をしていた。「我が盾よ 剣にカワリテ 我が敵を打ち砕け」
壁が砕け、鋭い刃を持つ破片がドミド達に降り注ぐ。
一帯のドミドが消し飛ぶ。
だが、まだまだドミドは生まれ続けている。
「キリがありませんね…」
皐月はまた壁を作りだす。
十数体のドミドが竜巻に巻き込まれ、次々に消滅していく。
「多いわ。 広樹さん苦戦しているのかしら」
緑の手から発生した鎌鼬がドミドを切り刻む。
「凪ちゃん大丈夫かしら? 西野城さんは大丈夫だと思うけど、って言うかなんとなく痛い目にあっていてほしいかも」
緑は今まで出現させていた竜巻よりはるかに大きな竜巻を発生させる。
ドミドが三桁ほど消滅する。
「あー、イライラする! ムキィー」
またドミドが三桁ほど消滅。 もうほとんどのドミドはこの世から消えていた。
「緑の奴 むちゃくちゃするな」
凪は竜巻に巻き込まれないように木に捕まっいるので必死だった。
彼女の周りにいたドミドは緑の竜巻に全滅していた。
「緑さん さすがですね」
皐月は出現させた壁で自分を覆い、風から身を守っていた。
「ドミド達も… もう出てこないみたいですね」
グラウンドを覆い近隣にドミド達が逃げるのを防いでいたフィールドが少しずつ消滅していく。
「広樹さん!」「好野!」「好野君!」
緑、凪、皐月はグラウンドに走っていった。
〜続く〜