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嘘吐きなボク
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恩知らずなボク-2

「そうか……
まぁ、客観的な事は良いんだよ」
何?
ボクの報告に漏れがあるとでも……

「お前がどう思っているかが聞きたい」
……
ははははは
なんでもお見通しですか親父殿

「何故ですか、父上様」
利益ばかりのアンタが人の気持ちを探るなんて

「お前に父上様と呼ばれると虫酸が走るな」
ボクもですよ親父殿

親父は煙草に火を灯し、肺を煙で満たす
そして、ボクの顔に煙を吐き出した

「騙す相手に情をかけるな
愛だの恋だのに現を抜かしてる暇はない筈だぞ、優
お前は姫咲家を担う……
いや、いずれは世界を牛耳る人間だ
お前に相応しい相手ならば用意した筈だが?」

確かにそうだ
騙す者と騙される者
相容れる訳がない
しかもボクには許婚もいた(気がする)
分かってる
全部分かってる
でも



「世界を牛耳る人間になると真実の愛を掴めないなら、ボクは興味ない」

今のボクには
彼女しか見えない
見る気すら起こらない
一時の気の迷いでも良い
確かに今この時は彼女を――麻霧三咲を愛してるから


「残念だよ」
親父は悲しそうにそう呟くと、静かに部屋から出た

机に三千万の小切手を置いて――





親父
恩知らずなボクを許して下さい


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