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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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裏切り (3) 夫には内緒で-1

ゆきのはじめての浮気から二日過ぎ、三日が過ぎた。

以前と何も変わらぬ穏やかな日々。
セックスも毎日している。
取り繕うような演技ではなく、激しく愛し合いオーガズムに達する充実したセックス。
ゆきは私との長年の早漏淡白セックスのせいで感じている演技がすっかりうまくなってしまったが、私もそんなゆきを見破るのはうまい自負がある。Zとの3Pでゆきが私に気を遣って演技しているのもすぐにわかった。
私の腕の中で心から幸せそうな笑顔を浮かべる妻を見ていると、あのZとの不倫セックスは夢だったのではないかと思えてくる。

もちろん夢ではない。

私はZに直接あってゆきをデートに誘うよう依頼し、Zは目を輝かせて「やるなら成功させますよ!」とはりきっていた。
「最初は時間の心配がない平日がいいかな。ゆきさん仕事お休みの日はありませんか?」
さっそくあれこれ作戦を巡らすZに、頼もしいやら恐ろしいやら複雑な思いを抱いたものだ。

その結果として、手元にはゆきの不倫デートの動画と音声がしっかりと残っている。
この三日間、家でも会社でも暇さえあればこれでオナニーした。
ベッドの上での痴態はもちろん辛いが、そこに至る過程もなかなか精神に来る。電話でのデートの約束から食事中の会話、ホテルに入るまでのやり取り――ICレコーダーにはすべてが克明に記録されていた。

それはゆきが、人妻としての貞操と自制心を少しずつ失い、不倫の甘い蜜に溺れていく哀しい記録だった。



「お久しぶりです、平日夜分にすみません」
「Zくん!?どうしたの?久しぶり!」
「じつはOさんちに以前行ったときに忘れ物しちゃったかもしれなくて」
「えー大変、なに忘れたの?」
「○○の資格試験のテキストなんですけど、Oさんに聞いたらそういえばなんか見かけて本棚に突っ込んだかもって」

作戦会議中にZに渡されて私が本棚に仕込んでおいた本である。

「ゆきさんもう家に帰ってるだろうから急ぎなら電話して聞いてみてって」

Zによると、人妻に電話するにはこのくらい事務的でないと警戒されてしまうのだそうだ。テキストメッセージでもいいが「俺の場合は口が上手いので直接話すほうが手っ取り早いんですよね」と自慢していた。

「本棚だよね。えーっと……あ、これかなぁ、○○って本でいいの?」
「それそれ!よかったー」
「もうパパったらー……これならZくんのって気が付きそうなものなのに。すぐ返さなくってごめんねー」
「Oさんらしいです。でも俺だってしばらく勉強サボってたせいで気がつかなかったくらいだし大丈夫です」
「たしかに!ちゃんと勉強しなさい」

笑いが生まれて少しリラックスした雰囲気になる。

「いや本当にね、それで明日休みなんで久しぶりに勉強しよっかなーって思ったら無いのに気がつきまして」
「明日使うなら家に取りにくる?今でもいいし、明日でも私休みだから午前中なら家にいるよ」
明日の休みを狙って連絡したのも当然作戦のうち。Zの家から我が家までは車で数分の距離である。
「あー助かります。Oさんもそう言ってくれてたんでじゃあちょっと寄らせてもらいますね。今日はまだ帰れないんで、明日十一時頃いいですか?」
「いいよー」
「ついでにどこかでランチでもご一緒しませんか?」
「お誘いありがとう。でもZくん、勉強はいいの?ずっとサボってたんでしょう?」
お姉さんぶった口調でやんわり牽制するゆき。
人妻として合格点の対応。

「ご心配なく。ゆきさんと突然会えなくなったんでちょっと寂しかったんですよ」
「もうーアラフォーの人妻なんか口説いてどうするの?」
ここもきっちり跳ね返す。ただまんざらでもなさそうな口ぶりではある。
相手は毎夜の自慰行為で思い焦がれている男なのだから当然かもしれない。

「だって寂しかったんだもんー」
おどけて駄々っ子のように拗ねてみせるZ。
こういうふざけた演技を嫌味なくできるのは感心する。
「あはは、なにそれ」
「だって寂しかったんだもんー」
同じセリフを、例の「マイペロちゃん」の甲高い声で繰り返す。
可笑しそうに笑うゆき。
「ちょっとそれ、懐かしいんだけど……そうだね急だったもんね。振り回しちゃってごめんね」
ゆきも調子をあわせてマイペロちゃんをなだめるような口調になってしまった。
Zのペースである。

「だからお詫びの印にランチだけ付き合ってください。『パパ』には内緒で!」
ふざけた調子ながら、私に内緒という重要なキーワードを入れてくるZ。これでひとつ、ゆきに安心材料を与えたことになる。
「ふふふ……内緒でなんていけません。パパに相談してみるね」
ここも一見「正しい人妻」の対応だが、よく考えるとゆき自身はもうランチに同意しており、後は夫次第という話になってしまった。最初はお断りモードだったのになんということだ。いちおうZに対しては「パパの存在」を匂わすことで、ぎりぎりの牽制にはなっている。

「やったー。OKならメッセージください。○○に美味しいお店があるんですよ」
家から少し離れた都心のデートスポットを指定するZ。ランチだけだとしても「その後」があるとしても、近所の目が気にならない場所のほうが都合がよい。妻が誘いを受けやすい条件を手際よく整えていくZ。
少し強引にも感じられたが、Zに好意以上のものを抱いているゆきにはこれで十分だったようだ。

「あした、OKです」

後日Zに見せてもらった、ゆきのメッセージには簡潔にそれだけが書かれていた。
ゆきから私には、なんの相談もなかった。


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