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梨花
【その他 官能小説】

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梨花-48

 「皆があんまりやらないようなことはやっぱり恥ずかしいわよ」
 「皆がやることは恥ずかしくないのか?」
 「それはそうよ。だって皆やってることじゃない」
 「それじゃお前、うんこの話を人とするか?」
 「うんこの話しって?」
 「今日のうんこは太かったとか臭かったとか」
 「そんなことは言わないけど、もう3日も出てないとか、あいつお店のトイレでうんこしてるとか、そんな話はするわよ」
 「女ってのはやっぱり男とは種類の違う生き物なんだな」
 「そんなこと当たり前じゃない」
 「違う。男が人間だとしたら女は人間の格好した宇宙人みたいなもんだっていう、そういう種類の違いだ」
 「そうよ。知らなかったの?」
 「こいつ、分かったようなことを言うな」
 「私が宇宙人でも愛してくれる?」
 「ああ。宇宙人でも化け物でも惚れたものは仕方がない」

 「ねえ、今度2人で温泉に行こうよ」
 「何で?」
 「なんでって楽しいじゃない」
 「いつも一緒に風呂に入ってるじゃないか」
 「そんなんじゃなくて、何処か一緒に行きたい。温泉楽しかったわよー」
 「また4人で行って来い」
 「今度はオサムと行きたいの。ねえ、何処か連れてって。1度も2人で旅行したこと無いじゃない」
 「何処に行きたいんだ」
 「だから何処か温泉がいいな」
 「温泉なんか行ったってお前、風呂に入る時は別々になっちゃうんだぞ」
 「あっそうか。じゃ混浴の温泉ならいいじゃない」
 「混浴は駄目」
 「どうして?」
 「他の男がいるから」
 「他の女もいるわよ」
 「女はお前1人で沢山」
 「ねぇ、何で他の男がいると駄目なの?」
 「お前の裸を見られたくないから」
 「えーっ、どうして? いつも裸よりよっぽど恥ずかしい服着せてるじゃない。この間の水着なんか『姉ちゃん、割れ目が透けてるよ』なんていう男がいたのよ。わざわざ近づいてきて耳元でそんなこと囁くの。聞こえない振りして無視したけど」
 「そんなこと言う奴いたのか。流石に良く見てるな」
 「おしっこチビル程恥ずかしかったわ」
 「で、チビッた?」
 「そんなことどうでもいいの。あんな恥ずかしい水着なら平気なのに、裸は見せたくないの?」
 「見せたくないの」
 「温泉で裸になるなんて、海であんな水着着てるよりよっぽど健康的よ。全然厭らしくなんてないわ」
 「それでも駄目なの」
 「どうして? 厭らしくないから?」
 「そうじゃないけど駄目」
 「何で?」
 「何でも駄目。お前言葉を変えて同じ質問をするな」
 「でも理由を教えてよ。不思議だもん、納得出来ない」
 「それはだな。俺にも分からん」
 「分からんって?」
 「分からんというのは分からないということだ」
 「そんなこと分かってるわよ」
 「分かってくれたか」
 「分からないわよ」
 「今分かってるって言ったじゃないか」
 「そうじゃないの。分かってる癖に」
 「いいや、俺にも分からんとさっきから言ってる」
 「ああもうどう言えばいいの? 裸より恥ずかしい服装を平気でさせるのに裸は何故いけないのか、その理由を教えてって言ってるの」
 「だからそれは分からない」
 「分からないって、それどういうこと?」
 「お前自分にも訳の分からないことって無いか? 何故だか分からないけどこれは嫌いだ、あれは好きだっていうの」
 「うん。それはまあ、あると思うけど」
 「それなんだよ」


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