梨花-25
「お前なあ、極く極く親しい友人にだけ出せばいいと言っただろ」
「うん。極く極く親しい友人だけに出したのよ」
「それがそんなに沢山いるのか? 俺が名前を聞いたことも無いような奴がいっぱいいるじゃないか」
「だってみんな美人だからオサムには隠していたの」
「それはどういう意味だ? 俺がお前の友達に手を出すとでも思ったのか?」
「そう。万が一っていうことがあるから」
「馬鹿な。俺はそんな節操の無い男じゃ無いぞ」
「だから万が一の為」
「それじゃヨーコはどうなんだ。彼女とは万が一を心配しなかったのか?」
「それは大丈夫。オサムはヨーコのタイプじゃないから」
「なんじゃそれは。俺がその気になっても向こうが相手にしないっていうことか」
「そう。ヨーコはファザコンなの。だから年寄りじゃないと駄目みたい」
「ほう、そうか。それで俺に隠してた中で一番おっぱいデカイのは誰だ?」
「ほらそれだ。だから隠していたのよ」
「いやいや冗談冗談」
「冗談っていう顔じゃ無かった」
「それじゃまあパラパラ五月雨みたいに来るのも面倒だから、まとめて一緒に呼ぶか?」
「えっ? いいの? そういうの厭がると思ってどうしたらいいか頭痛めてたんだけど」
「お前の小さい頭痛めたってろくな考えは出て来ないの」
「馬鹿にして。おっぱいの小さい子だけ選りすぐって呼んでやるから」
「それは無いだろ。そういう依怙贔屓はいかん」
「何言ってんの。急にそんなこと言ったって駄目。もう決めちゃったもん。おっぱいデカイ子は私だけ出かけて外で会うことにする」
「そういう妙なことはするな。寛い心でみんな平等に扱って上げなさい」
「助平」
「こら、亭主つかまえて助平は無いだろ」
「だって下心丸見えだもん」
「いいだろ。見て楽しむだけだ、何が悪い」
「ふん。入り口に胸当て置いといてうちに入る前に皆に配ることにしよう」
「何だそれは? 胸当てって?」
「野球のキャッチャーがやってるじゃない。あんな奴」
「お前も相当な意地悪だな」
2人のマンションはそれ程広くないので数人ずつに分けて何回か呼ぶことにした。料理は近くのレストランに注文したが、それでもお茶を出したりコーヒーを出したり、忙しく動くことになるだろうというので、梨花は動きやすいようにショートパンツ姿である。これが股上も股下も極端に短い。その上精一杯膨らませた風船よりも薄いんじゃないかという生地で出来ているからどう見ても下着みたいに見える。水着だってもう少しましだろうと言う感じなのである。上は共生地のタンクトップで乳房は露出していないが乳房に不透明のコンドームを被せたような感じと言ったら多分最も正確な描写になる。勿論オサムの好みの服装である。
ユカリとジュンとアスカという女の子が3人で揃ってきた。これが3人とも揃いも揃って大きな胸である上、おっぱいがこぼれているよと言いたくなるような服を着て来た。梨花が愛想良く迎え入れながらオサムにウィンクしてみせたのは、どう? 胸の大きな人達ばかりで満足したでしょうという意味である。オサムは気づかない振りして無視した。こぼれそうなおっぱいが6つも来たのだからオサムは梨花の眼を意識してニヤケたりしないようわざとらしく仏頂面しているが、そうでもしないとだらしなく顔が緩んでしまう。
女はお喋りだから3人も来れば梨花を交えて4人、それはそれはにぎやかにあっちへ飛びこっちへ飛びの昔話が続く。オサムはなるべく彼女たちの胸元に視線を合わさないように、しかし焦点からそれ程離れていない部分に乳房が位置するように視線を定めていた。