悠子と良子-3
(優子ちゃんのお母さんとお父さん。はじめまして、あたしも悠子と申します。あっ、字はそうです。今イメージを送ったとおり【悠子】です。ずっと話がしたくて機会を待ってました)
「悠子、あんた優子ちゃんと漫才やってたんじゃないの。放っといて大丈夫なの?」
悠子がここで話を続ければ、優子への対応が疎かになる。陽子はそれを危惧した。
(うふふ、今なら大丈夫よ。優子ちゃんは昨日の快感を取り戻すって、オナニー始めたから)
心に響く声に釣られ、良子と拓哉は自宅の居間が映る画面に目を向けた。全裸の優子が足を全開に開いて、割れ目をクチュクチュと擦りながら喘いでいた。
娘の恥ずかしい姿に、両親は目を背け…なかった。
「やだあ、優子ちゃんたらあんなにエッチにおまんこ弄ってるう」
「おおっ!陽子さんと由香里先生と同じパイパンじゃないか!我が娘ながらエロい」
一旦違う事に意識を逸らしたので、後の説明は容易に運んだ。
(あたし、2年前に死んだんです。でも、優子ちゃんが黄泉の国まで来て、天界に話を付けてあたしの魂を連れ戻してくれたんです)
「うそでしょ!優子にそんなとんでもない力があるってこと?」
(ええ、お嬢さんはとてつもなく凄い人ですよ。本人には全く自覚はありませんけど。今、こうしてお話ができるのも、優子ちゃんの力を借りてるからなんです)
心に響く声が、何故か視線を移したような気がして、その声を聞く者は一応にそれに倣って視線を移した。
その視線の先には足を開き、快感に女体をのけ反らす優子の姿が映っていた。
『はあ、はあ、ゆ、悠子さん、昨日、何回イッたんですか?はあ、はあ、あたしも同じ回数イカないと…はあ、はあ、黙ってないで教えてくださいよお、ああん、意地悪しないでよお』
陽子と良子はお互いに顔を見合わせて笑った。2人の心の中には悠子の笑い声も響いていた。
「うふふ、自分の娘ながらおかしい子だこと。悠子さんはどうなの。あんな子と同居で疲れないの?」
(いえ、優子ちゃんは【癒す人】ですから)
「でも、いつまでもこのままじゃ、あなたが肩身の狭い思いをしないか心配になるわ。あっ、母親だから娘の事を思って言ってるんじゃないのよ」
(うふふ、わかってますよ。辛くなったら自分の心に来たらいいってお母さんが考えてる事も)
「あれ、わかるの?便利なのね」
(ごめんなさい。普段は勝手に心を読まないようにしてるんてすけど、優子ちゃんのお母さんならって、ついつい甘えたくなっちゃったみたいです。あたし、母が早くに亡くなって、継母とも反りが合わなくて…)
「そうなの…。辛い思いをしたのね」
(いえ、お気遣いありがとうございます…)
そう答えた悠子は一拍置いてから絞り出すように話を続けた。
(お母さん。これから話す事は陽子ちゃんには内緒です。まだ優子ちゃんにも話してません。今からお母さんにだけ打ち明けます)
「どういうこと?」
(しっ…。今からしばらくは口を効かないでくださいね)
(わかった。これでいい?)
良子は直ぐに対応した。
(はい。ありがとうございます。あたし、もう少ししたら難しい選択しなければならないんです)
(選択?なにを?)
(実はお母さんが心配された事は的を射てるんです。このままの状態はやはり歪なんですね。歪な状態を解消するために、その内、あたしの思いが優子ちゃんにシンクロし始めて、最後にあたしの心は優子ちゃんと同化してしまうんです)
(えっ?同化って、悠子さん、居なくなっちゃうの?)
(うーん、居なくなるのではなく同化です。負け惜しみではありませんがそれもアリかなって。もしかして前世では1つの魂だったかもって思える時もあるくらいです)