悠子と良子-2
『堅いねぇ、確かに確かに。バリ硬だったかな。でも、柔らかいところもあるのよね〜』
陽子は淫口に指を淹れて、さっきまでそこに収まっていた拓哉の肉棒の固さを思い浮かべた。その一方で、星司に突かれる度に揺れる良子の柔らかな胸を眺めながら答えた。
「エロ陽子!いい加減にしろ!なにおまんこ弄ってるんだよ、婚約解消の危機なんだぞ!」
『きゃっ、怖い!いつもそうやってあたしを脅すけど、堅いご両親がそれを見たらどう思うかしらね〜』
「なにが『脅してる』だ!上等だ!今から乗り込んで、テメエのおまんこ蹴り上げてやるからな」
『きゃあ、なんて下品なのぉ。結婚前の娘がおまんこだなんて〜。優子はエロだ♪優子はエロだ♪』
陽子はこうしていつもの雰囲気を良子達に伝えていた。優子が関わった集団が、決しておどろおどろしいばかりじゃない事を理解力して貰うために。
良子は娘が仲良くやっている様子に満足しながら絶頂を迎えた。
『ああん、イクイクウウウ』
「あれ?今のイキ声、なんだか優子ちゃんに似てるね」
悠子だ。
『あら、悠子、おはよう。昨日のオナニー合戦楽しかったね』
画面の中の陽子が、顎に指を当てて意味深な目をしながら悠子の知らない事を口にした。
「えっ、ああ、楽しかったね」
それを見た悠子は、陽子に合わせて答えつつ意識を陽子の元へと飛ばした。
陽子が顎に人差し指を当てるのは優子に内緒の符合で、優子に知らせたくない事を打ち合わせをするための合図だった。
現世に戻ってからしばらく経ち、現状に慣れた悠子は極力人の心を覗かないようにしていた。それでも皆無ではない。緊急の時は遠慮なく覗くし、それ以外は合意の上で心に入る。この符合もその1つだ。
優子に悪戯をするための相談用に陽子が考えた符合だが、それが役に立ったということだ。
普通なら距離があれば難しいが、飛ばす相手の傍で能力者が中継すれば悠子には距離は関係なかった。
悠子は星司の中継で陽子の心に入り、おおまかな内容を読み取った。陽子は心の中に悠子を感じて安堵した。後は悠子に任せれば単純な優子は簡単に誤魔化せるはずだ。
案の定、優子の意識に戻った悠子は、それっぽく対応を始めた。
「うふふ、優子ちゃんが寝た後でサイトにインしたのよ‐ ‐えー!そんな事ができちゃうんですか!‐ ‐ええ、優子ちゃんがグッスリ眠ってる時限定だけどね‐ ‐あーん、ショック〜‐ ‐どうしたの?‐ ‐だってせっかくオナニーしてるのに、気持ちいい記憶が残ってないんだもの」
…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…
「陽子さん、優子は一体なにを言ってるの?」
予備のモニターで優子の様子を観ていた良子が聞いた。
「えっ、あ、あれはですね…。星司、あれってなんだっけ?」
陽子は泳がせた目を星司で止めると助けを求めた。
「大丈夫だ。ご両親は優子ちゃんと同じで胆が据わってらっしゃる。悠子の事を言っても問題ない」
星司が手を広げて請け負った。
「大丈夫なのね…」
星司のお墨付きを貰ったが一言では説明できない。陽子は言葉を探しながら説明を始めた。
「あのお…、なんてったらいいのか、優子ちゃんの身体には、今、別の人の魂が同居してるんです。あたしの親友で、雄ちゃんのお姉さんで、さらに言えば星司の元恋人で、最近まで死んでたんですけど…。あのお…、わかって貰えましたでしょうか?」
「へっ?なにそれ。もう一回言ってみて」
「でしょうね…」
改めて自分で言っても到底信じられない事だ。
(陽子ちゃん、あたしから説明するから)
「悠子!」「えっ、なに?」「なんだ?どこから聴こえるんだ?」
部屋に居る者の心に直接その声が響いた。