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約束のピンキーリング
【女性向け 官能小説】

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「でもセックスしただけじゃ付き合わないわよぉ〜!今どきぃ〜」

楽しそうに笑う私を岡本くんも楽しそうに見つめて

「中村さん、ここお店ね。セックスって女の子が大声で言わない〜」
「あら。ごめんなさい」

「中村さん」
「なぁに?」
「本気なんだよ」
「何がですか?」

「だから、付き合おうって」

「ふふふ。面白い」

私の返事に、今まで楽しそうだった岡本主任の顔が真剣になった。

そして、息を、ふーッと吐き出して

「今日は帰るか」
と、お会計をした。
「あ、今日は私が払うわ」
「ん?いいよ」
「いえいえ。昨日奢っていただきましたし」
「オトコなので。奢りますよ。美味しかった?」
「うん」

駅までの道を手をつなぎながら歩く。
それはとっても自然な行為で、そうして歩くのが当たり前のように私の手をつなぐ。

「じゃぁ、あの一言、言って」
「・・・ごちそうさま」
「どういたしまして」

私の中で岡本くんのトレードマークになった笑顔で私に笑いかける。

そして、目をつぶって私をギューッと抱きしめた。

「だめだ。帰せなくなる」
「・・・・」
「今日も一緒に居たい。ダメ?」
「・・・・」

私の反応を確かめるように
私の眼の奥を覗き込むように
ゆっくりとゆっくりと顔を近づける。

私に逃げる隙を与えるようにゆっくりと。



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