悠子-14
「マスター。奥さんもプリンス・メロンだったんですか?」
「そう、彼女はプリンス・メロンが好きだったね」
「厭だ。惚けないで下さいよ」
「・・・」
「やっぱり怒ってますか?」
「・・・」
「そんな子供みたいにだんまり決め込まないで下さいよ」
「あのな。僕は君がドデカいチンポを好きだとしても何も言うつもりは無い。パンツ穿いたまま小便垂れるのが好きだとしても僕には関係無い。人の好みなんてどうでもいいんだ」
「あらっ、酷い。飲み過ぎてたまたま失禁しただけなのにそんな趣味があるみたいなこと言うんですか?」
「だから仮にそういう趣味があるとしてもどうでもいいと言っているんだ」
「私がそんな趣味があっておしっこしたと言うんですか?」
「いや、そうじゃない。例が悪かった。小便の話は撤回する」
「いいんですよ、私がゲロ吐いてパンツ穿いたままおしっこしたってお客さん達に言っても。事実なんですから」
「そんなこと言わないよ。僕は人のことをあれこれ言うのは好きじゃないんだ」
「いいわ。それなら自分で言います。お客さんに私がこんなことしたって言えばいいんでしょ?」
「何でそんなこと言う。そんなこと言えなんて言って無いじゃないか」
「私がプリンス・メロンの話をしている時『今に見ろ、俺はお前の醜態見たことあるんだからな。いつでもバラしてやれるんだぞ』って、そう思っていたんでしょ?」
「そんなことは思っていない。おしっこの話を持ち出したのは悪かった。そういうつもりじゃなかったんだ」
「私だってあんなことしたの初めてなのに」
「だから悪かった。な? 僕なんて下痢で寝ている間にウンコ洩らしたこともあるんだ。おしっこなんてどうってこと無い」
「えっ? 本当ですか?」
「本当だ。寝小便というのは聞いたことあるけど、寝ウンコなんて聞いたこと無いって女房にさんざん笑われてな。綺麗に始末してくれた後、女房の生理用品と生理用のパンツ穿かされたことあるんだ」
「厭だ。それ本当なんですか?」
「ああ。僕は便秘はしたこと無い代わりにちょっとしたことで直ぐ下痢になるんだ。それでも寝ウンコなんてしたのは後にも先にもそれ1回だけだけど」
「目が覚めたらウンコしてたんですか?」
「いや、出た直後にあれっと思って目を覚ました。何か出たような気がしたけどまさかって思って手をやると濡れてるんで飛び跳ねて起きた。隣に寝てた女房が驚いて目を覚ましたくらい」
「それでどうしたんですか?」
「走ってトイレに行ったさ。少しは出ちゃったけど、やっぱり無意識に肛門を閉めて後続を断ち切ったんだな。トイレに行ったらシャーって出た」
「ウンコが?」
「当たり前だ。おしっこの話しじゃない」
「それでベッドはどうしたんですか?」
「いや、冬だから厚手のパジャマだったし、しみ出る程沢山出た訳じゃない。それでも毛布はいで良く見たけど」
「で、奥さんが生理用品でオムツしてくれたんですか?」
「もう出ないから大丈夫って言うのに無理矢理穿かせるんだ。僕も大変なことしちゃったって思ってたから引け目に感じてて強く抵抗出来なくてね」
「その後そのオムツの中にウンコしましたか?」
「しないよ。あれは何て言うか生理用品がずれたりしないようにきつく出来てるんだろう? 分厚いパット入れてるから股の所は変な感じがするし、それに男には女に無い膨らみがあるだろう? それが押しつけられて苦しいんだ。その後寝られなかった」
「ああ、オチンチンのことですか」
「うん」
「奥さん怒ってました?」
「いや、大笑いしてた。笑いながらパジャマを洗ってた。わざとした訳じゃないことは知っているし」
「そうですね。でもいい奥さんだったんですね。私だったら腹が立って自分で洗いなさいって言ったかも知れない」
「ああ、いい女房だった」
「奥さんのことまだ聞いて無いけど、どんな人でした?」
「おっぱいがデカかったけど、そんなこと聞いてる訳じゃ無いよな」