『第2章 その秘密の出来事は』-24
「結婚して間もない頃、君には言っただろ? 家庭を壊さない、特に遙生に悪影響を与えない、本気にならない、俺に気づかれないという条件でなら、俺は君の浮気を認めるって」
「そう……だったわね」
「生殖能力を失っても俺を夫として認めてくれて、結婚してもずっと俺の世話をしてくれた。その上遙生にも愛情をたっぷり注いで育ててくれてる。誰にでもできることじゃない。だから君がただその身体を満足させるためだけだったら誰かに抱かれてもしかたない、と……」
利恵は剛から目をそらして、小さな声で言った。
「大丈夫。あなた以外の人に抱かれることなんてないから。もう二度と。これからずっと……」
利恵はそっと目を閉じ、剛の逞しい胸を撫でた。
剛は利恵の身体をそっと抱き、長く穏やかなキスをした。
「あなた、抱いて……」
利恵が耳元で囁くように言うと、剛はひどく切なげな目をして利恵の目を見つめた。「こんな俺の身体でも満足してくれるんだな」
「十分よ。ちゃんと硬くなるようになって、繋がり合うことができるようになったじゃない」利恵は悪戯っぽく笑い、剛の下着に手を掛けた。「回復力の超人的な体力のある男と結婚できて良かった」
「褒めてるのか?」
「当たり前でしょ」
剛はまた利恵の唇を吸いながら、彼女のショーツに手を掛け、中の茂みにかくれた敏感な粒を指で挟み込んでさすり始めた。
利恵はああ、と甘い声を上げて身をくねらせた。
剛はぎこちない動きで下着を脱ぎ去ると、利恵にゆっくりとのしかかり、唇を重ね合わせてきた。利恵は貪るようにそれに応え、舌を絡み合わせ、背中に腕を回してその逞しい身体を抱きしめた。
剛が口を離した時、利恵は泣きそうな顔で言った。
「お願い、私の中に来て、あなた」
利恵はショーツを脚から抜いて両手を伸ばした。
「わかった」
剛は膝立ちになり、利恵の脚を開かせた。そしてしばらく自分のものを手で握って刺激し、硬さを増してきたことを確認すると、それを焦ったように利恵の谷間にあてがい、ゆっくりと挿入させていった。
「ああ……」
利恵は甘い喘ぎ声を上げた。
「あなた、一緒に、私と一緒に」
「利恵!」