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「そのチョコを食べ終わる頃には」
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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『第1章 その警察官、秋月 遼』-5



 二人して遊園地に行った帰り、亜紀は、家族が出掛けてしまっていて誰もいない遼の家に招かれ、彼の部屋に誘い込まれた。
 下着姿の亜紀は遼のベッドに横たわっていた。部屋のドアの近くで背を向けてジーンズを脱いだ遼は、恐る恐る振り向いた。亜紀は背を向けて丸くなっていた。
 同じように下着一枚の姿になった遼はゆっくりとベッドに近づき、亜紀の太ももを撫でた。亜紀はビクン、と身体を震わせた。
「薄野さん……」
 亜紀は僅かに震えながらじっとしていた。
「あの、薄野さん」
 亜紀はくるりと仰向けになると、赤くなった顔で遼を睨みつけ、小声で言った。「この状況で『薄野さん』はないと思うけど?」
「えっ?」
「クラスメートなんだし、って言うかつき合ってる恋人同士なんだから『亜紀』って呼んでくれてもいいのに」
「そ、そうか。そうだよね」
 遼は小さな声で自分に言い聞かせるようにつぶやいた。そして亜紀の目を見つめて言った。
「いいの?」
「何が?」
「何が、って……」
 困ったようにベッドの横に立ちすくんでいる遼を上目遣いに見上げて、亜紀も小さな声で言った。「……いいよ」
 それから遼も亜紀も無言のまま、並んでベッドに横になった。
 遼は亜紀にゆっくりと覆い被さり、そっとその身体を抱いた。そして少し口を開いて、亜紀の唇と重ね合わせた。亜紀はぎゅっと目を閉じ、じっとしていた。
 遼は自分の唇を亜紀のそれに押しつけたまま、その背中に手を回し、ブラのホックを外した。戸惑うこともなく、器用に外した。
「(なんか、手慣れてる……)」
 そのままブラを取り去った遼は、露わになった亜紀の二つの膨らみを柔らかくその手のひらで包み込み、ゆっくりとさすった。
 亜紀はその時、恥ずかしさと共に、好きな人に触れられているという幸福感を味わうことができていた。今自分の肌に直に触れている男子は、今まで一緒に過ごしてきた様子から野獣のように乱暴になるタイプではないとは思っていたが、男とはこういう行為の時には豹変すると巷ではよく言われるではないか。亜紀はその不安も少しばかり抱いていた。しかし少し汗ばんだ遼の手のひらは温かく、不思議と安心できた。そしてその手がショーツに伸ばされる時には、今自分と肌を合わせようとしているこの男子が野獣になることはないだろう、と確信していた。
 事実遼はずっと慈しむように亜紀の身体を扱った。
 やがて二人は、その身体に何もまとわずベッドの上にいた。遼はベッドの脇にあるサイドテーブルの引き出しから正方形のプラスチックの包みを取り出し、それを破って中から薄いゴムの避妊具を取り出すと、硬く天を指しビクンビクンと首を振るその持ち物に被せ始めた。額に汗を掻きながら長い時間がかかって、ようやくその作業を完了した遼は、ごくりと唾を飲み込むと、きゅっと口を結んで亜紀を見下ろした。
 亜紀はそれを薄目で見て、この男子を可愛いと思ってしまった。そしてこの人に、好きな彼にこれからの行為の全てを任せよう、そう決心して目を閉じた。
「いくよ」
 遼は無声音でそう言うと、亜紀の両脚を広げさせ、その中心に自分の持ち物をあてがった。
「あ……!」
 亜紀は苦しそうに顔を顰めた。今まで誰にも触れられなかった場所に、熱く硬いものがあてがわれ、それが自分の身体の中に侵入してくる。
「んんっ!」
 閉ざされていたその場所が無理矢理こじ開けられる強い違和感を感じた亜紀は思わず仰け反り、呻いた。
 荒い息を繰り返しながら、遼は少しずつ、できるだけ亜紀に不安を与えないように慎重にその行為を続けた。だが、さっき慣れない避妊具を付けていた時に徒に刺激したせいで、彼は絶頂までもう少しという段階にまで来ていた。その時先端を少しだけしか亜紀の身体に挿入させていなかったが、腰の辺りが痺れ始め、すでに限界を感じ始めていた。


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