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携帯をしまい、少し感慨に耽ってから麻衣の待つベンチに戻る、麻衣は雄介がベンチを立った時そのままの姿勢で待っていた。
「麻衣、お前の望み、聞き入れることにしたよ」
「え?……本当にいいの?」
「それはこちらから聞くべきことだよ、俺もそうしたいと願っていたところだ、ただし、肝に銘じておいて貰わないといけないことがある」
「うん」
「一つは絶対に誰にもしゃべらないこと、友達にもだ、どこから漏れるかわからないからな」
「二人だけの秘密ってことね? もちろんだわ」
「それともう一つ、そういう関係になったとしてもいつまでも続くわけじゃない、わかるな?」
「……残念だけどわかる……兄妹だからね?……」
「そうだ、好きな人が出来たらすぐに言えよ、その場で関係を解消する、それはこちらも同じことだ、好きな女性が出来たら言う、その時は……」
「わかってる……お兄ちゃんの邪魔になりたくはないから……」
「俺も同じだよ、お前の幸せの妨げは絶対にしたくない、いいな? 俺たちにゴールは存在しない、お前と俺が兄妹であることは厳然たる事実なんだから、そこは忘れるなよ」
「わかった」
「小さい頃、約束をする時は指切りしたな」
「うん」
「指切りだ……いいか? 口先だけじゃないぞ、本当に固い約束だ、子供同士の約束じゃないんだから」
「わかってる」
決断してしまえば雄介は迷うことはない、ベンチから麻衣を立たせると肩を抱いて歩き出した
30分後、二人は新宿のホテルの一室に落ち着いた。
「奇麗な夜景……」
「ああ、田舎だと夜は真っ暗だからね、もっともこっちで暮らしてると真っ暗な夜が懐かしくなるけどね」
「……ありがとう、お兄ちゃん……あたしの我侭に付き合わせちゃって……」
「実を言うと夕べ……と言うか今朝だな……自分を抑えるのが大変だった」
「ホント?」
「ああ、本当さ」
「でもホテルだなんて思わなかった、てっきりアパートに帰るのかと……」
「そうはいかないさ、アパートじゃ音が筒抜けだ、第一お前、初めてじゃないのか?」
「うん……」
「だとしたら安アパートでなんて寂しいだろう? 一流ホテルとまでは無理だけど……」
「充分、こんなに奇麗で立派なホテル、初めて泊まるもん、まして夜景が素敵な部屋だなんて……」
雄介は部屋の明かりを落とし、窓辺で麻衣を抱き寄せる。
「カーテンを……」
「大丈夫、明かりを落とせば外からは見えないよ」
「ん……」
濃厚なキス……迷いがなくなると雄介は大胆になる。
麻衣は一瞬、身をこわばらせたもののすぐに力を抜いて雄介に身を委ねて来た。
デニムのショートパンツの尻を抱き寄せる、こっちの怒張も伝わっているはずだ、麻衣の呼吸が少し荒くなっていることからもそれがわかる。
麻衣のぽってりとした唇は吸い付くような肌理の細やかさがある、しっかりと抱きしめた体は弾力に富み、指を押し返してくるようだ。
その場で押し倒したい気持ちに駆られるが、なんと言っても麻衣には初めての体験だ、優しく、じっくりと時間をかけてやらなければいけない。
雄介は唇を離すと麻衣を抱き上げる。
「きゃ」
「怖がるなよ、シャワーを浴びよう」
「抱っこで連れて行ってくれるの?」
「小さい頃はおんぶだったけどな……」
「もう小さい頃の話は……」
「そうだな、レディとして扱うよ」
バスルームに麻衣を降ろすと、雄介は手早くポロシャツ、靴下、ジーンズと脱ぎ捨てトランクス姿になると麻衣のブラウスに手をかけた。
麻衣は雄介を見上げている、無邪気に喜んでいた時はぱっちりと大きな瞳だったが、とろんとして少し潤んでいる、やや垂れ目なのが却って色っぽく、雄介の気持ちを掻き立てる。
ブラウスを脱がせ、ブラジャーを外す……麻衣は雄介のするがままに潤んだ目で見上げ続け、されるがままに身を任せている。
乳房が露わになった、麻衣はすっと手を上げ隠そうとするが、雄介が優しく手を下ろさせると素直に従った。
張りのある乳房……既に掌に余るほどの大きさだが、まだ実りきってはいない、そんな印象を受ける、乳首もまだはっきりと突出してはいない、奇麗なピンクの乳輪の上に小さく盛り上がっているだけ、まだ子供を生む準備が出来ていない躰だ。
雄介が膝を付くと乳房は少し高すぎる、すると麻衣は自然に少し屈んでその初々しい乳房を雄介に差し出した。
雄介は乳輪に舌を這わせる、暑い中一日歩き回った後なので、一瞬塩辛い味がしたがすぐにそれは消え、ほんのりとした甘ささえ感じる。
「あ……ん……」
麻衣は小さな声を出すが、前屈みの姿勢は変えようとしない、雄介は唇を左の乳房に移し、右手で左の乳房を揉みしだく。
「ああ……」
麻衣の唇から切なげな声が漏れ、膝が折れかかる。
経験豊かな女性ならばほんのプロローグに過ぎないのだろうが経験のない麻衣にとっては男に胸を触られる、舐められるだけでかなりの性的興奮を感じているようだ、その反応は大輪の花を咲かせる可能性を示している、そしてどのくらい大きな花を咲かせるかは雄介にかかっているとも言える。