ハーブオイル-2
よく茂った二つの丘に挟まれた秘肉の谷間は何の抵抗もなく開いており、細かい皺の寄った内唇の淵もベロリと外側に捲れ、ジュクジュクの粘液に満たされた谷底や壁が、無防備に晒されている。もちろん、真珠のように深い輝きを放つ肉の蕾も例外ではない。
それ自体で既に必要十分なほどに潤っている渓谷に、施術師がハーブオイルを垂らし始めた。それは微かに湯気を立ち昇らせている。
野菊の花びらの真上に注がれたオイルは谷間へと流れ込み、女の入り口、小水の出口を経て、最後は肉の蕾から滴り落ちて床に置かれた桶に溜まっていく。
「ん、んん……」
由紀子が身じろぎした。しかし、それには構わず、オイルは注がれ続けた。
「はあ……、はあ……」
眠っているはずの由紀子が大きく息を漏らし始めた。背中も上下に動いている。
彼女の眉根はギュっと寄り、口は半開きだ。
特殊成分配合の生暖かいハーブオイルで敏感な谷間を穏やかに刺激され、疼く様な鈍い快感が下腹部の奥深くにジーンと染みていく。
「ああ……、はあぁ……」
息を漏らす音は喘ぎ声へと変わっていき、由紀子の尻が、時折ピクっ、ピクリ、と揺れ始めた。
「んあぁっ……あはぁあっ……」
起きているのではないかと思うほどに、その声は艶めかしく大きく施術室に響き渡った。
「どうしますぅ? チョイと刺激すればイっちゃうところまで来てますけどぉ」
「ダメよ、イかせては。ギリギリまで追いつめ続けるのよ」
「生殺しですねぇ」
「ああっ! く、くうぅ……」
由紀子が尻を揺すり始めた。上下に、左右に、そして円を描くように。
「だいぶ欲しがってますよぉ?」
「ダメ。このまま追い込んでちょうだい」
「後が大変ですよぉ?」
「いいの。それでいいの」
由紀子の尻の動きが激しさを増していく。「あはぁっ! あ、あ、ああっ……」
「限界ですぅ」
「止めて!」
由紀子の秘肉の渓谷に注がれ続けていたハーブオイルがピタっと止められた。
「ぐうぅ……」
由紀子は、歯を食いしばって息を止めている。その全身は、小刻みに震えている。
「残念でした。今はイかせてあげないわ、由紀子」
「くふうぅぅ……」
溜めていた息を緩やかに全て吐き出した由紀子が脱力した。
「準備オッケーというわけね」
「そのようですねぇ」
「お疲れ様。ありがとうね」
「毎度ありぃ」
江理花は薄い微笑みを浮かべて由紀子をじっと見下している。その瞳の奥に妖しい光を灯して。