震える-3 「こんなもの!」 由紀子はローターをゴミ箱に向けて投げ捨てた。陶器製の白いゴミ箱の淵に当たってコン、と乾いた音を立てたそれは絨毯の上に転がった。 荒く早い呼吸が収まっていくと、由紀子は立ち上がり、ローターを震える指先で拾い上げて、何度も何度も洗ってケースに入れ、トイレの棚の一番奥に隠した。