Requiem〜後編〜-16
(セッツァーとも、これが最後になるかも・・・・・・)
(それならば・・・・私も・・・セッツァーにめちゃくちゃにされたいなんて・・・・)
────クチュクチュ・・・ゾニュグチュ・・・・・
いつしか室内には、
セッツァーの煙草の匂いに、
生々しい水音に加えて、
セリスの“薔薇”から滲み出す“蜜”の発する独特の香りが次第に濃くなっていた。
それはセッツァーにとっては初めてであり、
セリスにとっては過去何人もの男達と2人きりになってきた時に体感してきたものだった。
もっともセリスやセッツァーには過去よりも“今この瞬間こそ、全て”という心境だった────────
「んんっっ・・・・」
足が震え立っているのがやっとの状態のセリスだったが、
一瞬背中に流れかけた電流に思わずうつむき加減で唇を噛み締める。
セッツァーもセリスが達しかけたのを悟るや指による愛撫を止め、
薔薇の中からふやけてしまった指を引き抜いた。
──ジュポンッ・・・・・
「ぁっ・・・・・・」
だが一瞬の空白を埋めるかのように、
既に準備万端に固く反り返っていた男の肉棒が指と入れ替わる形で、セリスの茂みの中に分け入ってくる。
そして、
────ズブブッッ!!!
「 !! あはぁっ!!」
襲ってきた圧迫感に思わず目を見開くセリス。
彼女の口から甘い喘ぎが夜気に吐き出された。
あっという間にセッツァーの全てをセリスの“薔薇”が飲み込み、
3たび2人は1つになった。
そしてセッツァーの両掌が背後からセリスの胸元に延びていき、
彼の腰が前後にゆっくりとしたテンポで動き始める。