Requiem〜後編〜-14
「・・・・俺からの贈り物、着てくれたか？」
「・・・・・ええ」
「・・・・でも、ここじゃあ見えないな」
再びセッツァーに力を込めて抱きすくめられた後、セリスは抗う間もなく窓際へと移動させられる。
月や星の光が差し込む窓辺に背を向ける形で、
セリスの姿が闇の中の一角に浮かび上がる格好となった。
そして、
────シュル・・・シュル・・・
「 ！！ 」
────パサァァッ・・・・
セリスの身体を覆っていたガウンの結び目がほどかれ、
支えを失ったローブは肩口から足元へと衣擦れと共に落下した。
はっとしたセリスが無意識に両手で胸を隠そうとした時、
目の前に立つセッツァーの掌が彼女の両手首を掴む。
夜の闇に溶け込むセッツァーの視線が、
自らが与えた物を身に付けて立っているセリスの全身に注がれる。
無言のまま、息を飲むセッツァー。
かたやセリスは彼の熱い眼差しに全身が熱を帯び、
露になった両乳房の先端が固さを帯びつつ立ち上がり、
外気に晒している下腹部の茂みからは蜜がジワリと滲み出していくことの恥ずかしさに、思わず顔を背けてしまう。
「セリス・・・・もっと、見せて」
感情を圧し殺したかのようなセッツァーの低い声に、セリスはその言葉に誘われる形でゆっくりと姿勢を変えていく─────────
────室内に明かりがなくても、
窓ガラスの向こう側には、
村に点在する家屋の明かりや夜空に広がる星の海の光がある。
その為カーテンが開け放たれた窓際に立ちガラスに両手を添えているセリスの姿を、
外から確認することはある意味容易だった。もっともこんな時間に屋外にいてそんなことをしている人影は見えなかったが。