9-3
「ひゃぁ」
ねねが素っ頓狂な声を上げた。
翔の上になって自分から腰を振り始めたのだが、突き上げを受けると堪らずに翔の胸に突っ伏した、それを待っていたかのように義男がアナルにローションを垂らしたのだ。
「ああああ……あああ……」
次に何をされるのか、ねねにはもうわかっている、本当の3P、前後ニ穴同時挿入だ。
意外というわけではない、シティホテルに泊まって3Pを楽しもうと決まった時に自分からリクエストしていたのだ。
これまでもオルガスターを前に入れられてのアナルセックス、アナルパールを出し入れされながらのセックスは経験している、だが生身の二本挿しは男が二人いなければ経験できない、3Pのメインイベントとも言うべきプレイなのだ。
「うぐぅぅぅぅ……きついよぅ」
さすがのねねもペニス二本はきついらしい、だが、痛がる様子はないし、逃れようとするそぶりも見せてはいない。
「翔君、この体勢で動けるか?」
「ええ、動けますよ、ただ、タイミングは合わせないと抜けちゃうかも」
「そうだな、ちょっと無粋だけど俺が号令をかけるよ……翔君は上半身をがっちりホールドしてくれるか? 俺は腰を掴むから」
「了解です」
「じゃ、行くぞ、せーの、1、2、1、2……」
「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
さすがのねねも悲鳴を上げる。
しかしその顔を間近で見ている翔は指で丸を作って義男にサインを送る、そもそもねねから提案されたプレイ、しかも『ちょっと苦しい位が良い』とまで言っている、まだ限界には達していないと判断したのだ、それを確認した義男は容赦なく腰を振る。
「あぐ、あぐ、あぐぅぅぅ……」
二本いっぺんに受け入れている状態にも少し慣れて来たのか、ねねの声が変わる、そして同時に目の焦点が合わなくなり始める、漫画やイラストならば目にニ、三本横線が入っている状態だ、ねねならばもっと激しく感じたいのだろうと考えた翔の腰の動きにも力がこもり、射精が近くなってきたのか義男のカウントもテンポが上る。
「あ……あ……かは……」
ねねの呼吸が乱れ始めたのを受けて、翔が人差し指をくるくると廻してみせる、ラストスパートの合図だ、義男が頷いてピストンのテンポを最大限に上げると、カウントを止める、翔は二本のペニスの動きがずれて抜け落ちてしまわないように腰の動きを控えるが、ねねはそのまま絶頂へと上り詰めようとしている。
「い……いぐ……」
ねねが苦しい息の間からなんとか声を絞り出すと、義男は最後の一突きに力を込めて果てた、残るは翔だけ、義男はねねの両腕を掴んで頭上に差し上げ、ねねの体を起こす、そして翔は両膝を抱え上げて最大速度の突き上げをねねの性器に叩き込んだ。
「し……しぬぅ……」
ねねの体から力が抜けたのを感じ取って、翔もねねの奥深くに精液を注ぎ込んで果てた。
「さすがにノックアウトですね」
「そりゃそうだろう、そもそもこの体で大人のペニス二本を同時に受け止めるだけでも信じられないくらいだからな」
ねねは完全に失神し、ベッドの上に大の字。
まだ呼吸は荒くてささやかに膨らんだ胸が激しく上下している。
「俺、見てますから、義男さんシャワーをどうぞ」
「そうかい? そうさせてもらおうかな」
そう言って義男はバスルームに消えた。
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義男がシャワーを終えて部屋に戻ると、翔は濡らしたタオルでねねのじっとりと汗ばんだ体を拭いてやっていた、顔に張り付いていた髪も綺麗に拭われている。
(こいつにならば……)
その光景を見た義男は思った。
「代わろう、シャワーを浴びて来ると良いよ」
「あ、俺は大丈夫です、ねねが目を覚ますまでこうしてます」
前から考えていた、ねねとの関係を解消するために必要な外的条件、それがこの翔君かもしれない……それを聞いた義男は素直にそう思うことが出来た。
「う……う〜ん……」
翔が性器とアナルからあふれ出た精液を拭ってやると、その刺激からか、ねねが目を覚ました。
「……ちょっとの間、死んでた……」
「生きてるじゃないか」
「あのね、今までも何回か気が遠くなった事はあったけど、いつも『あ、あたし、今気絶してる』って頭のどっかにあったの、でも今日は完全に気絶した、いつもだと頭の中が真っ白になって、だんだん色が戻って来る感じだけど、今日は真っ白からぷつんと真っ黒になった、それからは全然わかんない……どれ位気絶してたの?」
「十分かそこらだよ」
「そうなんだ……」
ねねはそう言うとうつぶせになって枕に顔を埋めた。
「ちかれた〜」
その様子は無邪気で可愛らしく、男たちは思わす顔をほころばせた。
「昼間もプールではしゃいでたもんな」
「だって四時まで暇だったんだもん」
「もう少し寝たら? スッキリするよ」
「うん」
「シャワーは? 体は拭いてあげたけど」
「一眠りしてからで良い……おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
結局ねねはそのまま目を覚まさず、男二人も手持ち無沙汰なので直に眠ってしまった。