メリッサ-22
「キャシー、私はどうしてこんな男を好きになってしまったんでしょう」
「でも彼は可愛いよ」
「ほら見ろ。ベストフレンドのキャシーさんもああ仰ってる」
「何がキャシーさんですか」
「メリッサ、そろそろ食事にしようか?」
「いいね。メリッサ、腹が減ってるから怒りっぽくなってるんだよ」
「私は貴方といると何故かいつも腹を立てているのです」
「私は貴方といると何故かいつもチンポを立てているのです」
「勝手に立てていなさい」
「ちょっと何処へ行くの?」
「だからレストラン。あそこにホテルがあるでしょう?」
「うーん。その格好ではレストランに入れないんじゃないか?」
「どうしてですか?」
「多分水着はお断りだと思うな」
「それじゃ上にこれを着て行きます」
「僕は?」
「私のTシャツを着なさい」
「またか」
「キャシーのTシャツを借りて上げましょうか?」
「余計格好悪い」
「それじゃ文句言わずに着なさい」
「ほら、やっぱり水着はお断りになってるだろう」
「そうでしたね」
「あれえ。水着の人もいるね」
「そうですねえ」
「格好付けて張り出してあるだけなんだ」
「此処では水着は駄目ですと言ったらお客さんが入りませんよ」
「そうだな」
「それでは脱ぎましょうか?」
「いいよ、いいよ」
「どうしてですか」
「メリッサとキャシーは服を着ていても目立つ。この上水着になったらみんなが集まってくる」
「厭ですね。見られることには慣れてしまいましたけど、どうして日本人はジロジロ見るのでしょうか」
「それはメリッサが美人だから見るんだ。ゴリラが歩いていても誰も見たりしないからな」
「ゴリラが歩いていたら皆見るのではないでしょうか?」
「本物なら見るかも知れんけど、ゴリラみたいな女だったら誰も見ない」
「そういうものですか」
「ああ、そんなもの見ると眼が腐っちゃうからな」
「貴方は女性の外見に拘り過ぎますね」
「いいじゃないか。拘った結果がこれだ」
「これとは何ですか?」
「メリッサがゴリラみたいな女だったらそもそもルームメイトにしてない」
「初めから下心があったのですか?」
「当たり前だ」
「女は困るだなんて言っていた癖に」
「そう言えば少しは油断するだろうと思ったんだ」
「メリッサは何にする?」
「キャシーは?」
「私日本語読めないから分からないのよ」
「それじゃ何か食べたい物はある?」
「ステイクが食べたい」
「ステイクはある?」
「昼からステーキ食べるの?」
「いけませんか?」
「いけなくはないけど。まあその体だからな」
「それじゃ皆ステイクにしましょう」
「僕はヤキソバでいい」
「もっと栄養のある物を食べなさい。貴方は痩せています」
「日本人の女は痩せた男を好むんだ」
「私は日本人ではありません」
「メリッサの好みに合わせると日本人に嫌われる」