現実の世界では-5
「ああっ、ああっ、あうん」
愛液で濡れる肉襞が擦られ、さらなる愛液を誘発し、それがクチュクチュと卑猥な音を奏でた。興奮で大きくなったクリトリスが、星司の陰毛に擦られた女体に快感を与えた。
激しく揺れる陽子の乳首を求めて、星司の手が伸びた。星司の指先がそれに触れると、陽子が望むようにクリクリと捻った。
「あううん、ああん、ああん」
どうにかなりそうなほどの快感に堪えるため、陽子は激しく頭を振った。
そこへ手当ての終わった雄一が戻ってきた。
「おわっ!どうしたんだコレ?」
双子のあり得ない光景を目の当たりにした雄一は目を丸くした。
「雄一、こんなことで驚いてる場合じゃないぞ」
宮本が雄一の肩を掴んだ。
「イチチ、なんだよ。いてーんだから優しく扱えよ」
「お前の痛さなんかぶっ飛ぶって。お前の姉ちゃんが帰ってきたんだよ」
「姉ちゃんがあ?どういうことだ?」
「悠子さんの魂が、今回の騒動で優子ちゃんの身体に同居が許されたんだってさ。優子ちゃんに話しかけてみろよ。姉ちゃんと話せるから」
「そ、それ本当なのか?」
雄一の目がさらに大きく見開かれた。確かにそれが本当なら腕の痛みはぶっ飛ぶほどだ。
「ああ本当だ。こんな冗談言えるもんか」
宮本は頷いた。
にわかに信じられないことだが、浅見とやりあっている時には、確かに悠子の存在を感じたのも事実だ。雄一は心から信じたいと思った。
「優子ちゃん!」
雄一が性急に優子に声をかけた。
「ね、姉ちゃんは居るの?」
雄一に声をかけられたが、双子の行為を見ていた悠子は興奮していてそれどころではなかった。結局、陽子のためと言いながら、悠子は自分の恋人とその姉の行為を見たくて2人をけしかけていたからだ。
悠子の本性はこの車両に乗るどの女よりも淫乱だった。生前は星司だけに向けられていた淫乱さは【痴漢専用車両】を覗き見る内に、肉体を持たないが故に憧れを募らせ、再び肉体を得て開花されたということだ。
「はあはあ、見て見て、モロ近親相姦だよ。はあん、こんなエロいヤツ生で見れるなんて、ああん、興奮するうぅ」
というわけで、興奮した悠子の目に淫乱の色が浮かんでいた。寛子によるお掃除も終わっていたので、自身の指で割れ目の中も刺激もしていた。
「ゆ、優子ちゃん、エロ過ぎだよ。で、姉ちゃんはどこ?」
いつもより卑猥に映る優子にタジタジしながら雄一は聞いた。雄一はそれを優子が言っていると思っていた。今の悠子の振る舞いが、生前の生真面目な姉とは余りにもかけ離れていたから、そう思うのも無理はなかった。
妖しく輝く悠子の目が、改めて雄一を捉えた。
−どうするの?−
悠子の視線の意味を知って、ワクワクした優子が心の中で悠子に問いかけた。
−うふふ、身体もう少し使わせてね−
悠子が楽しそうに答えた。
「【悠子さん】は色々忙しいみたいよ。それよりも、え〜と手島さんでいいんだっけ?手島さん、あたし達もしよ。ほら、寛子さんも始めてるし」
悠子は話しながら、雄一のズボンのベルトをガチャガチャと外し始めた。
「おわっ!優子ちゃん、そんなことは後でいいから、姉ちゃん呼んでよ」
「それがダメなのよ。あたしが興奮してる間は、イって鎮まるまで出てこれないシステムなんだって。だから早く会いたかったらあたしをイかせて」
雄一との会話は後でいい。それよりも淫乱な心はそれ以上を求めていた。ズボンを下ろした悠子は、半勃ち状態の肉棒を握って扱き始めた。
「わ、わかったよ。でもできるかなあ」
雄一は痛む両腕が気になり心配になった。
「大丈夫よ。優子ちゃんは元々癒す人なの。それがあたしと重なったことでヒーリング能力が飛躍的にアップしてるから」
その証拠に、半勃ち状態だった雄一のモノがいつもにも増してそそり勃っていた。肉棒から手を離した悠子が雄一の腕に触れると、優子が覚えたての力を発揮した。雄一の腕は温かみを感じ、ずきずきとした痛みはさーっと薄れていった。
「すげ…」
そのことに驚く雄一は、今の悠子の発言で感じた違和感が頭からぶっ飛んでいた。
「どう?」
「優子ちゃん、凄いよ」
痛みの無くなった手で優子の手を掴んだ。