投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

痴漢専用車両へようこその最初へ 痴漢専用車両へようこそ 289 痴漢専用車両へようこそ 291 痴漢専用車両へようこその最後へ

死後の世界へようこそ-2

−うそ…−

−うそじゃないよ。死んだと勝手に勘違いして、慌ててここに顔を出したみたいね−

−か、勘違い!まさか!−

−そうなんだってば。思ってた通り、優子ちゃんてかなりそそっかしいみたいね−

−そそっかしい?あたしがあ?−

心外なことを言われて優子は剥れた。

−うふふ、でも勘違いでこんなことができるなんて、優子ちゃんはやっぱりお夕さんの生まれ代わりかもね−

−バカなこと言わないでください。じゃあ、どうしてさっきはあたしが死んだみたいに言ったんですか?−

−うふふ、あなたを見てたら、からかいたくなっちゃって−

−(こ、こいつの中身は陽子だ…)−

こんな切羽詰まった状況下で、真面目だと思っていた悠子から、陽子と同じ匂いを嗅ぎ取った優子は唖然とした。

−うふふ、優子ちゃん、ありがとうね−

−何ですか。唐突に−

−あなたのお陰で陽子ちゃんと話すことができた−

−それは悠子さんの力でしょ−

−いいえ、あたしにそんな力が有るなら、始めから陽子ちゃんと話ができてる。やっぱりあなたが居てくれたから奇跡のような邂逅が叶ったのよ−

−だったらまだ行っちゃダメだよ−

−どうして?−

−だって星司さんとはまだ話してないじゃないですか−

−うふふ、星司くんはシャイだからね。でもね、あたし達は昔から一緒に居るだけで幸せだった。言葉は無くてもこうして会えるだけであたし凄く幸せなの−

−えっ?『会える』って−

−ほら、優子ちゃんの心を通して、さっきから来てくれているのよ−

−えっ?−

振り替えると、星司のイメージが頭を掻いていた。

−ええええーっ!いつの間に!−

−オレが『ヌケてる』って話のあたりかな−

−どうしてっ!!!−

星司の答えを聞いて優子の目が吊り上がった。

−バカじゃないの!どうしてあたしを押し退けて話さないのよ!もう逝っちゃうんだよ!さっさと前に出ろこのバカーッ!−

激昂した優子が星司のイメージの尻を蹴り押した。

−おわっと−

−うふふ、星司くん、大丈夫?−

−ああ、大丈夫だ。色々とすまん。各務家のゴタゴタに巻き込んでしまった−

つんのめった星司に悠子が楽しそうに聞くと、星司が頭を掻きながら応えた。

−あんたバカなの!そんなどうでもいいことは放っといて、早く抱き締めなさいよ!悠子!あんたもよ!どうして飛びつかないのよ!−

気の急いた優子が星司の尻を蹴り、悠子の背に回って背中を押して罵声を浴びせた。初めに星司を蹴れたことで、イメージ同士ならばそれも可能なことを理解した優子は、恋人同士に最後の抱擁をさせたかったのだ。

−ありがとう優子ちゃん。じゃあ、後ろを向いてくれる−

背中を押す優子に振り向いた悠子が言った。

−えっ?あっ!−

照れ笑いを浮かべる2人を見て、自分がそれの邪魔をしていることを優子は覚った。

−ご、ごめんなさい−

真っ赤になった優子は、慌てて2人に背を向けた。

優子の視線を逃れた悠子は、目から涙を流しながら愛する男に抱きついた。それをかつての恋人もしっかりと受け止めた。

重なる唇。2人はこれまでの溝を埋めるようにお互いの唇を激しく求めた。

−よかったね。悠子さん−

2人の幸せそうな気配を背中に感じた優子の中に、ふとある考えが芽生えた。優子の目の前には、悠子を迎えにきた光の道が明るく輝いていた。 


痴漢専用車両へようこその最初へ 痴漢専用車両へようこそ 289 痴漢専用車両へようこそ 291 痴漢専用車両へようこその最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前