ママと私のキモチ-3
私は その日の夜、リビングでタブレットの画面を見つめて『お客さん』と対話してるママに聞いた。
「ママ、お話していい?」
「なあに?」
「ママは、りえすのこと 好き?」
「ママは、りえすのことは キライ。」
……言われてしまったよ。でも、私はずっとモヤモヤ感じていたことに、ハッキリとケリがついたよ。
ものすごく冷徹に思えるけど、これが私のママなんだ。娘の私にも ゴマカシの妥協ですまさないママの姿なんだ…… と、いろんな考えをめぐらせる私を ママは、締め付けるように抱きしめてきた。
「ママは りえすが好き」
(えっ……)私は何か言おうにも、ママの力が強すぎて声にならない。ママの言葉が続いた。
「『りえすのこと』って何?『りえすのこと』なんか知らない。『りえすのこと』なんかどうでもいい。ママは、ここにいてくれる りえすが好き。りえすがいるから、わたしは生きていける……」
ママの力が少しゆるんだ。ここでヘタな「事」は言いたくない。私は慎重に伝えた。
「私、ママが好き。ママが大好き。」
しばらく黙って私を抱いていたママは、
「ママが好きなのね。りえすの方から、好きって言ってくれたんだから、もうママはガマンする必要ないのね。」
と言うと、私をグイッと持ち上げた。