2-11
「あああああっ!!!」
抑えられていた脚がビクッと震える。
それほどまでにすさまじい快楽だった。
麗子の一番恥ずかしい所を河野の舌が嬲っている。
じっくり味わうように、執拗に。
それは失禁してしまいそうなほどの気持ち良さであった。
決してシンでは得ることができなかった充足感。
テクニックでは、シンの方が上回っているはずなのに、麗子の身体は枯れることなく愛液を溢れさせていた。
「あっ、河野さ……あっ、ああっ」
彼の舌は発熱した人のように熱かった。
柔らかく濡れた舌は、麗子の秘穴に出入りしたり、優しく淫芽を弾いたりしていた。
念入りとも言えるような河野の愛撫に、麗子は軽い絶頂を何度か味わわされ、その度にM字状態で開かされた脚のつま先がピンと延びる。
そして、何度目かの軽い絶頂を迎えた麗子は、クリトリスへの舌先の激しい愛撫ののちに、
「あああああんっっっ!!」
と身体を痙攣させて深い絶頂を迎えた。
「葉月……」
息が上がって放心している麗子の顔を、河野が優しくなでる。
いつのまにか彼も服を脱いでいたのか、二人は裸になって見つめ合っていた。
「河野さん……」
麗子は、本音を言いそうになったが、そこでなんとか言葉を飲み込んだ。
彼女から奪いたい。
私のものになって欲しい。
だが、それは言ってはいけない言葉。
きっと河野はいっときの気の迷いでこうなっただけで、彼女のことを口に出したら恐らくここでストップしてしまうだろう。
ならば、気の迷いのままでいいから、このまま最後まで抱いて欲しい。
麗子は結局、
「河野さん、来て……」
としか言えなかった。