2-10
意識したことのなかった後輩の乱れる姿が、こんなにも理性を奪うとは思いもしなかった。
今の河野の頭の中には、恋人の姿はなかった。
代わりに頭の中を占めるのは、美しい麗子の身体や、肌の滑らかさ、そして欲望を駆り立てる切なくも甘い鳴き声だ。
「あっ、あっ、ああっ、河野さん……嬉しい……」
快楽に呑まれながらも想いを伝える麗子のいじらしさに、河野はたまらなく胸が苦しくなる。
その度に彼は、何度も麗子にキスをして、強く抱き締める。
「葉月……お前の気持ちに気付かなくてごめん」
償いのつもりなのか、柔らかな胸に唇を這わすと、麗子の細い身体が悲鳴とともに仰け反った。
「はあっ……あ……」
思わずソファーから落ちそうになる身体を、河野は逞しい腕で支え、そのまま顔を麗子の下腹部に下ろしていった。
「やっ……」
反射的に閉じそうになる脚を、河野はしっかりと抑えつける。
目の前の麗子の秘部は、陰毛が束になるほど湿っているのか、脚を開かされたことによって割れ目から覗く肉芽がヌラヌラと光っていた。
恋人とは違う匂いに、河野はそれを味わってみたいという欲求にかられ、ゆっくり顔を近づけていく。
「や、やだ……河野さんっ、やめて!!」
それは自分が嫌だからと言う拒絶ではない。
憧れの河野にそんなことをさせてしまうのは申し訳ないという思いから出た拒絶であった。
だが、彼の目はギラリと鋭さを秘めたまま、麗子のヴァギナを捉えている。
その視線に胸がドキッと締め付けられた麗子は、憧れの河野に自分の一番恥ずかしい所を見られているという現実に、生唾を飲み込んだ。
身体の内側から、またしても蜜が溢れたのを麗子は感じ取り、河野もまた、それがわかったかのように、次の瞬間彼の乾いた唇が、濡れそぼるそこへ吸い付いた。