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20XX年。
この星は想像もつかないような発展を遂げていた。
一番近いのは、『ドラえもん』の近未来的な世界だろうか。
そんなお伽話のような世界が、現実のものとなっている。
それを可能にしたのは、AI(人口知能)の台頭だった。
AIの普及は、我々人間の生活に劇的な変化をもたらした。
労働力はもちろんのこと、教育分野では教師代わりになったり、はたまた経済の動きを予測する専門家になったり。
今や人間の生活にAIは欠かせないものとなっていた。
特に目を見張るのは、人間の生活に寄り添うタイプのAIロボットの普及である。
家事をしてくれるロボット、介護をしてくれるロボット、育児をしてくれるロボットの需要は右肩上りとなっている。
そして、さらには性欲処理までしてくれるロボットまでも登場した。
どんどん人間と同じことができるようになってきたロボット。
学習し続けるロボットは、人間の欲望をより広く、より深い所まで叶えてくれる。
ロボットが人間の理想の世界を作ってくれる、人々は皆そう信じていたーー。