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「はあっ……、あっ、あんっ……気持ちい……い」
煌々と明るい部屋に、女の嬌声が響き渡っていた。
あまりモノを置いていない、寒々しい印象の寝室だが、快楽に溺れる二人の熱気で、部屋の中は冬の外気よりも気温が上がっていた。
だが、熱気を放っているのは女の方だけ。
仰向けになった女に覆い被さり、規則的なリズムで腰を振り続ける男は、汗一つかいていない。
「あんっ……いいよぉ……シン……もっと激しく……」
『了解』
女にシンと呼ばれた男は、抑揚のない声でそう頷くと、腰の動きをより一層早めた。
「ああああっ!! そうっ、そこよ……! そこを突いてぇぇ!!」
すると女の声がより切羽詰まった鳴き声に変わる。
汗ばんだ身体は桜色に染まり、シンと繋がった部分は、女のとめどなく溢れる蜜に塗れて、はしたない音を響かせている。
シンは、女の細くくびれた腰を掴んで少し持ち上げる体勢をとった。
こうすれば、より深く繋がることが出来て、女はより美しく乱れるのを彼は知っていたから。
『麗子……気持ちいい?』
「ああっ……もう最高……。あんっ、あっ……シン……あたしをしっかり見てぇ……」
『見てるよ。しっかり見てる。君の感じてる可愛い顔も、形のいい胸も、とてもいやらしいここも……』
シンの言葉に呼応するように、秘貝の合わせ目からトロリと熱い液体が染み出してくる。
組み敷いた麗子の、快楽に歪む顔を見たシンはニヤリ、と不敵な笑みを浮かべる。
細身ながらも筋肉質の体躯に、モデルのような端整な顔立ち。
こんないい男に抱かれているんだと、こっそり目を開けてシンの顔を眺めれば、彼はニッコリ笑って麗子に深いキスを注ぐ。
「ん……むっ……んっ、んう……」
舌を絡ませながら、そっとシンの瞳を見つめると、そこにはちゃんとまつ毛まであることに、彼女は初めて気付いた。