受け継がれる世界-1
彩音は目を見開き、口をポカンと開いている。
「無理もないわ。こんな話、にわかには信じられないわよね。私もそうだった。」
ぎこちなく頷く彩音。
「大丈夫。今から、代々受け継がれてきた知識と記憶をあなたに伝授するから。」
「記憶を?」
「そう。方法は…」
凜花は彩音の裸の胸を見下ろした。そして左の乳房に顔を近づけ、乳首をペロリと舐めた。
「あぅ…」
タップリ焦らされ、幻想的な話に翻弄されて心が浮遊していた彩音は、不意打ちを喰らって身を仰け反らせた。
「体に教えてあげるの。」
凜花は左乳首を激しく吸いながら、右乳首を摘まんで強く抓った。
「あはぁ、うぅ…」
彩音が悦びとも苦悶ともつかない声を漏らした。
彩音の左乳首に軽く噛みついた凜花は、口を離さないでスルスルと彩音の服を脱がせていった。
彩音に残されたのは白いソックスと淡い緑の制服スニーカーだけになり、他の全ての部分の素肌が凜花の目の前に晒された。
彩音の目はトロンと閉じかかっており、何をされても逆らわないという意思が見て取れた。
凜花はいったん彩音から体を離してベッド降り、自分の着ているものも全て脱いだ。彩音とお揃いの白いソックス以外。
「彩音、私の知る全てを教えてあげる。」
再びベッドに上がった凜花は、彩音の上に覆い被さり、素肌と素肌を重ね合わせた。そして、唇と唇も重ね合わせた。
「ん、んん…」
切なげな息が彩音の口から漏れる。
いつの間にか、壁、床、天井の全てのパネルが、全裸で絡み合う二人の女の姿を様々なアングル様々なズームでパラレルワールドの様に写し出していた。
凜花が彩音の肩と腰に手をそえ、ゴロリとうつ伏せにした。
「な、何を…」
言いながらも彩音に逆らう気配はない。
太腿の裏側に下から掌を這い上がらせていった凜花は、彩音の白い尻を掴み、ガっと一気に左右に開いた。
「あっ!」
突然の事に彩音は声をあげた。
二人を取り囲むパネルには、恥辱と恍惚の入り混じった表情を浮かべた彩音の顔が、いくつも写っていた。そして、左右に開かれた尻の奥にあるものも。
「可愛い…ああ、本当に可愛いわ、あなたのここったら。」
指先で彩音の中央をチョンとつつく凜花。
「はう…」
彩音の腰がピョコンと跳ねた。
「さあ、可愛くてたまらないここを、どうやって可愛がろうかしら。」
「え…」
頬を染め、目を伏せる彩音。
「まずは…膝立ちになりなさい。」
「はい…」
言われた通りにする彩音。
「少し足を開いて。」
「こう、ですか。」
「そう。そのまま動かないでね。」
ニュル。
「え!」
彩音の股間から、突如腕が生えた。
「どう?ちょっと男の子みたいでしょ。」
「あ、あの…」
それは、彩音の尻の間から前に突き出された凜花の右腕だ。
「さあ、私の腕を挟んで前後に腰を振りなさい。」
「そ、そんなことをしたら、私のそこと凛花先輩の手が擦れ合ってしまいますよ?」
「擦れ合わすの。そのためにやるんだから。」
そんな、そんな、と呟きながらも、彩音の腰は少しずつ前後に揺れ始めた。
ブジュ、グジュゥ…。
「ああ、私のそんな所と先輩の白くてしなやかな腕が擦れ合って音を出している…」
「いい音出すじゃない。さすがは次期コンマス候補ね。」
「いえ、先輩のおかげです。」
「どういたしまして。さあ、もっと私の腕に擦り付けなさい。そして、もっと大きな音を聞かせて。」
「はい、凜花先輩。」
ブジュウゥ、グジュルルゥ…。
クイッ、クイッ、と彩音が腰をくねらせる度、湿った音が部屋の中に響いた。その壁や天井や床一面には、いろんな角度からその様子が映し出されている。まるでDVDのマルチアングルの様に。
そのことに気付いた彩音は目を細めた。そして、なおさらに腰の動きを強めた。恥ずかしいことをしている自分の姿を見たことで、倒錯した興奮が彼女の肌を撫でたのだ。
「ああっ、ああっ…」
ジュブブ、ジュボ、ジュブゥ…。
「ねえ、彩音。」
「なんですか…先輩…」
股間に擦れる凜花の腕の感触に集中している彩音は生返事を返した。
「私に指、入れてみる?」
「え…?ええ!」
彩音は一気に正気を取り戻した。
「そ、そ、そんなこと…」
「したくないの?私は…されたいけどな。」
ゴクリ。
彩音が生唾を飲み込む音が部屋に響いた。
「私が由衣に指を入れられてるの、見たでしょ?」
「あ、はい。」
少し悔しそうな表情を浮かべる彩音。
「私、本当はあなたに入れられたいの。」
「凜花先輩…」
凜花は彩音の股間から腕を引き抜いた。そしてベッドの上に仰向けになり、膝を立てて足を開いた。
「さあ、彩音。ここに入って…」
自分の指でそこを広げて見せる凜花。
「そこに、私の…」
引き寄せられるように凜花の股間を覗き込む彩音。右腕が上がり、中指が立てられた。その手を凜花が掴んで引き寄せ、自分の入り口にあてがった。彩音の指先は震えている。
「さあ、入れて。あなたの指を、私のここに。」
「ああ、凜花!」
ジュブゥ…。
「うっ…」
彩音は中指を凜花の入り口に一気に突き立てた。その荒々しさに、凜花は少し声を漏らしてしまった。
「…先輩の中、すごく熱いです。それにグチョグチョに纏わりついてくる。」
指を動かしながら彩音が呟いた。
「ね、彩音。私にもあなたをくれないかしら。」
「そ、それはつまり…」
「私の指を、あなたの中に入れさせて…」