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私立花乃森女学院 〜 目覚めの時
【同性愛♀ 官能小説】

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 「こ、怖い事言わないで下さいよ。」
 「見た目の美しさに惑わされて簡単に行ってはいけない、と言ってるの。私だって、あれだけ見事に咲いた花の中で寝転がりたいし、涼しげな森の奥を覗いてみたいと思う。そして、それは本当に他では得難い素敵な体験になるかもしれない。でもね、でもね。」
 凛花は不安そうな表情を浮かべている彩音をじっと見つめた。
 「生半可な覚悟で越えてはいけない柵なの。一度向こう側へ行ってしまえば、もう戻っては来れないのだから。」
 彩音は小さく頷き、呟いた。
 「…越えたんですね、凛花先輩は。この柵を。」
 それには答えず、口元に微笑みを浮かべる凛花。しかしその瞳は限りなく深い。
 「さ、戻ろ!みんなの所へ。」
 重い空気を振り払うように凛花が調子を変えて提案した。
 彩音はそんな凛花の正面に回り込み、唇を合わせた。
 「それがあなたの答?いいの、戻れな…」
 もう一度。
 「凛花先輩こそ。覚悟を決めてここへ連れてきたんでしょう?私を。」
 凛花は彩音のおでこを人差し指でつついた。
 「ナマイキだぞ、彩音。」
 二人は屈託なく笑い、草原を後にした。


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