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私立花乃森女学院 〜 目覚めの時
【同性愛♀ 官能小説】

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テーブルの下で-1

 初心者なのにいきなりコンマスで部長の凛花に個人レッスンに指名されたことで、他の新入生たちと彩音の間にヘンな空気が流れてしまった。
 しかし、彼女の穏やかで誠実な人柄が知られるにつれ、わだかまりは解けていった。
 だから、夏合宿の実行委員の一回生代表に彼女が選出されたのはけして嫌がらせなどではない。人物が正当に評価されてのことだ。
 そういうわけで、女学院内の喫茶室のテーブルをはさんで凛花と彩音は向かい合い、夏合宿の計画を話し合っている…はずだったのだが。
 「あ、あの…」 
 「何?彩音。」
 「な、何っていうか…」
 テーブルの下で、凛花の右足は彩音のスカートの中に入っている。それは彩音の白い右太腿の内側を這い上がり、彼女の最も敏感なエリアの寸前まで迫っていた。
 大きな柱の横のテーブルに座っているので、彩音の右側からは柱の陰になってテーブルの下は誰にも見えない。彩音の背中側からも、凛花の背中側からも見えないだろう。
 だが、彩音の左側は完全にオープンだ。誰かが通りかかれば、二人のその異常な光景を見られてしまうかもしれない。
 「どうして足を?」
 「イヤなの?」
 「イヤ、とかそういうのではなくて…」
 「イヤではないのね。」
 凛花の足が前進した。友里のパンティまで、もう数ミリしか離れていない。
 ちなみに、靴はもちろん脱いでいる。ソックスは穿いていない。つまり、素足で彩音の太腿を撫で上げ、パンティに迫っているのだ。
 「もうちょっとで当たっちゃうね。私の親指とあなたの…」
 「や、やめてくださいよ。」
 少しでも動けば触れてしまう状況に、彩音は身を固くした。股間に凛花の足の指先を強く意識して。
 「逃げればいいじゃない。」
 「いいんですか?」
 「いいわよ、逃げたいなら。」
 彩音の顔に逡巡の色が流れた。
 「…何でも言うことを聞かなきゃいけないんですよね?」
 凛花の口元に微笑みが浮かんだ。
 「本気にしたの?そんなことするわけないじゃない。弱みを握って支配するなんて。」
 「え、でも…」
 色々させられた気がするんだけどなあ、とは言えない彩音。
 ツン。
 「あ…」
 一瞬のスキを突いて、凛花が彩音の股間を突いた。
 「逃げない、という結論でいいのね?」
 「あの、いえ、えっと…」
 ツンツン。
 「あ…」
 「逃げないんだ。」
 ツー、っと凛花の足の親指が彩音のパンティに薄く浮かんだミゾをなぞった。
 「せ、先輩…」
 「ふうん、こっちの唇も柔らかいんだ。いい音出せそう。」
 「音?」
 凛花はブルーのアンダーフレーム眼鏡の位置を直して彩音を見つめた。
 「たっぷり湿らせてね、指を咥えさせるの。そして何回も入れたり出したりして丁度いい位置を見付ける。するとね、いい音が聴けるのよ。」
 「どんな音…はうぅっ!」
 彩音がたまらず声を漏らした。
 「そんな音、よ。」
 凛花の右足の親指が彩音のパンティの中に潜り込んで蠢いている。
 「まあ、こうやって動いてるだけでもあなたの唇は音をたててるんだけどね、よく湿ってるから。ここじゃあ聞こえないけど。」
 背景音というやつだ。特に何の音、ということもなく、喫茶室には雑音が溢れていて、彩音の股間がたてる繊細な音は聞こえてこない。
 「東城先輩…」
 彩音は目がトロンとしている。
 「なあに?彩音。」
 凛花の指先が、彩音の敏感な蕾を捉えた。
 「あはぁ…」
 眉根を寄せて、少し困ったような顔で彩音はまたも声を漏らした。もちろん、困っているのではない。いや、困っていると言うべきか。
 今まで恋人のいなかった彩音にとって、自分以外の人にそこに触れられたことなどもちろん無く、初めて経験するその感覚に戸惑い、恐れを感じているのだ。
 「あなた、意外とよく茂ってるわね。」
 凛花の足が、少し上に移動した。
 「ザリザリしてて気持ちいいわ。」
 「そ、そんな…恥ずかしいですよ。」
 「そう?恥ずかしいのなら、剃ってあげようかしら。」
 「剃る…」
 「大事な唇を鋭い刃物で傷つけないように気を付けなきゃだけどね。」
 凛花がにっこり笑った。
 その時、彩音は背後に人の気配を感じた。
 「せ、先輩。」
 眼鏡の奥の切れ長の目が視線を飛ばし、ほぼ同時に彩音のスカートの中から凛花の足が出ていった。
 その直後、三人連れの学生たちが談笑しながら通り過ぎた。
 「彩音、あなた耳もいいのね。」
 「そうなんですか?自分では分かりませんけど。」
 もう一組、数人の学生がすぐ横を通り過ぎた。
 「それにしても…見られちゃったかなぁ。」
 「先輩…」
 彩音は泣きそうな顔になった。
 「大丈夫よ、」
 少し頬を緩ませた彩音。
 「…なんて無責任なことは言えないけどね。」
 彩音が頬を膨らませた。
 「それ、あんまり好きくないですよ、凛花先輩。」
 「ふふ、ごめんね、私は好きなのよ、この言い回し。」
 二人は見つめ合ってほほ笑んだ。


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