テーブルの下で-2
「ねえ彩音。」
「はい。」
「ティッシュある?」
「ありますよ?どうしました?」
「足の指拭きたいの。何故だかわからないけど濡れちゃったから。」
「ま、またそういうイジワルな言い方を…」
「性格なのよね。」
「うふふ!」
「あはは!」
彩音はポーチからポケットティッシュを数枚取り出して差し出した。
「拭いてくれないの?」
「届きませんよ。」
「届くところに…」
「え…」
「って、余計に濡れちゃうか。」
「も、もう…」
二人はもう一度微笑み合った。
「で、っと。合宿の話なんだけどね、彩音。」
「やっと本題ですか、凛花先輩。」
「いや、どっちかと言うとさっきの方が本題かな、私的には。」
「決めなきゃいけないこと、いっぱいありますよ?」
「分かってるって。一緒に片づけましょう、私たち二人で、一緒に。」
「はい。」
「よろしくね、彩音。」
凛花は真剣な眼差しで彩音を見つめた。
「よろしくお願いします、凛花先輩。」
彩音はその瞳を真っ直ぐに受け止めた。