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美雪
【学園物 官能小説】

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美雪-8

 「他人とベタベタするのに妹とベタベタしちゃいけないの?」
 「俺は他人とだってベタベタなんかしてない。向こうがベタベタしてただけだろ」
 「だから私がベタベタしてるだけ」
 「あのなあ。まあ、いいか」
 「まあいいよ」
 「お前、高校生になってからいやに俺にまとわりつくようになったじゃないか」
 「だって、お兄ちゃんがこんなにもててるとは知らなかったんだもん」
 「そんなことお前に関係無いだろ。俺がもててるかどうかなんて」
 「学校で凄い人気なんだよね」
 「だから俺が人気があろうと無かろうとお前に関係無いの」
 「だからお兄ちゃんのすばらしさを再認識したのよ」
 「そしたらお前も負けずに頑張ればいいんだ。俺にベタベタする理由にならないだろ」
 「だって余所の女の子がベタベタしてんなら私がベタベタして悪い理由は無いでしょ?」
 「これは、本当に男を紹介してやらんと駄目なようだな」
 「そうよ。だからさっきから頼んでるじゃない」
 「ちょっと高い物食べてもいいって言ってたから、今日はハングル宴にしよう」
 「ハングル宴は高いの?」
 「ああ」
 「それで味の方はどうなの?」
 「美味いに決まってんだろ。高くて不味い訳は無いんだ」
 「そんなこと無いよ。入ったことあるの?」
 「無い」
 「大丈夫かなあ」
 「大丈夫だろ。カルビが1皿800円もするんだ。それで不味い訳が無い」
 「高い」
 「キムチだって600円もするんだぞ」
 「何でそんなこと知ってるの? 入ったこと無いのに」
 「ショー・ウィンドウがあるじゃないか。あそこで見たんだ」
 「ショー・ウィンドウ見て入らなかったの?」
 「だから高いからやめたんだ」
 「みっともない」
 「何で?」
 「まさか女の子と一緒の時じゃないよね」
 「一緒の時だ」
 「格好悪い」
 「そんなこと無い」
 「女の子何か言ってなかった?」
 「何を?」
 「お金無いの?とか」
 「ああ、それは言ってた」
 「それで無いって言ったの?」
 「ああ」
 「格好悪い」
 「何が格好悪い。俺は高校生なんだぞ。金が無くても格好悪いことない」
 「でもデートの時くらい少しは格好付けた方がいいんじゃないの?」
 「そんなことする必要は無い」
 「それでもっと安い所に行ったの?」
 「そうさ」
 「いつも女の子に奢るの?」
 「高校生がそんなことするか」
 「いつもは割り勘?」
 「そうとも限らない」
 「って、どういうこと?」
 「つまり奢って貰ったり、割り勘にしたり。まあ金がある時は割り勘だ」
 「それじゃ、いつも奢って貰うんじゃない」
 「まあ、大体そうなる」
 「焼き肉の時は割り勘にしようと思ったのね」
 「何で?」
 「高いからやめようって言ったんでしょ?」
 「ああ」
 「それで何食べたの? その時は」
 「焼き肉食べた」
 「え?」
 「だから『焼き肉アオイ』に行って食べたんだ」
 「ああ、そうか。あそこは安いもんね」
 「ああ」
 「それでお兄ちゃんいつもお金が無いのね」
 「何で?」
 「そんなの食べたり、デートにお金使うから」
 「別にデートに金は使わない」
 「だって『アオイ』だって2000〜3000円は使うでしょ?」
 「俺が払ったんじゃない」
 「え? 割り勘じゃなかったの?」


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