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美雪
【学園物 官能小説】

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美雪-23

 「お兄ちゃん、ちょっと話がある」
 「何だ。俺は受験勉強で忙しいんだ」
 「分かってるけど大事な話」
 「又柳田のことか?」
 「違う」
 「それじゃ何だ」
 「又手を出す。今日は相談じゃなくてお兄ちゃんを詰問しなければならないことがあるの」
 「詰問? お前もしつこい奴だな。又オルゴールの話か」
 「そんなんじゃない。オルゴールなんてどうでもいいの」
 「どうでもいいだぁ? 毎日のように此処へ来て騒いでた癖に」
 「それはお兄ちゃんと話をするきっかけにしただけ」
 「俺と話をするのにきっかけなんかいらないぞ」
 「有り難う。今日は重要な話」
 「一体何だ」
 「お兄ちゃん、例のピンクのセーターの人だけど、名前は何と言うの?」
 「それが重要な話なのか」
 「違うけど、前提として聞いてるだけ」
 「大和田優花というんだ」
 「いい名前ね」
 「まあ美雪よりはずっといい」
 「私のことはどうでもいいの」
 「それで話って何だ」
 「どこから話していいのか分からなくて悩んじゃう」
 「それじゃ部屋に戻って良く考えてから又出直して来い。俺は忙しいんだ」
 「ううん。いい。単刀直入に言うことにしたから」
 「だから何だ」
 「お兄ちゃんと大和田優花さんが一緒にホテルに入る所を見たの」
 「何?」
 「中野の北口にあるでしょ? ちょっと見はラブホテルじゃないみたいなホテルが」
 「お前の見間違いだろ」
 「見間違いじゃない」
 「誰かと間違えたんじゃないのか」
 「私がお兄ちゃんのこと見違える筈がないでしょ」
 「そんなことは無いだろうけど、お前何で北口なんて行ったんだ」
 「だって北口には中学の時の友達の家があるもの」
 「ふん」
 「そういう付き合いだったの?」
 「だからホテルに行って一緒に古文や英語の勉強をしたんだ」
 「真面目な話よ」
 「真面目な話だ」
 「お母さんに言ってもいいの?」
 「言ったって徹底的に惚けるさ」
 「それじゃ言わないから、私にだけは本当のことを話してよ」
 「本当のことって何だ」
 「どういう関係なの、あの人と」
 「だから、そういう関係だ」
 「単なるSFなの?」
 「何だ、そりゃ」
 「セックス・フレンドのことだってお兄ちゃんが言ったじゃないの」
 「ああ、そうだった」
 「そういう関係なの?」
 「さあなあ。だとしたらどうなんだ」
 「だとしたら別に構わない」
 「あんだ? どういう意味だ」
 「男だからそういうこともあるってことは理解出来るという意味」
 「それじゃ単なるセックス・フレンドではなかったらどうなんだ」
 「そんなんだったら許せない」
 「何? 話が逆なんじゃないのか」
 「どうして?」
 「真面目に付き合ってるんだったら理解して大目に見るけど、遊びでホテルに行くなんて許せないというのが普通なんじゃないのか」
 「そんなことない。お兄ちゃんは大和田優花さんのこと本当に好きなの?」
 「本当に好きだったらどうなんだ」
 「許せない」
 「何で?」
 「何で? お兄ちゃんはまだ高校生なんだよ」
 「高校生が人を好きになったらいけないのか」
 「いけない」
 「何だ? それじゃお前はどうなんだ。柳田のことが好きだって言ってたじゃないか」
 「そんな夢中になる程好きではないもん」
 「夢中になったらいけないのか」
 「いけない」
 「何で?」
 「私はどうなるのよ」
 「どうなるとは?」
 「だから私のことはどう思ってるのよ」
 「お前変なこと言うなあ」
 「何が?」


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