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妙子
【その他 官能小説】

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妙子-5

 「あんたの手がゴッツイことは見なくても知ってるわ」
 「ごのゴッツイ手が触れてもゴワゴワするというんだから、そんなの穿いていたら妙子さんのもち肌が可愛そうだろ」
 「別に何とも感じないわ」
 「それは長い時間穿いてるから分からなくなってるだけで、お肌は涙流して泣いてるんだ」
 「お肌が涙流したりしないの」
 「汗のことを詩的に表現しただけだ」
 「何が詩的よ。その顔でよく言うわ」
 「いや、妙子みたいないい女を見ていれば、ドラキュラだってロマンチックになってしまう。美人の力というのは恐ろしいもんだな。俺みたいなけちでも何か買ってやりたいという気にさせられてしまう」
 「そんな持ち上げても駄目よ。でも買ってくれるんなら買って貰うわ」
 「おっ、その気になったか」
 「穿き替えないわよ。買って貰うだけよ」
 「それは無いだろ。折角買ってやってタンスに直行じゃパンティだって可哀想じゃないか」
 「全然」
 「それじゃ寿司5人前食べさせてやるから」
 「そんなに食べれる訳無いでしょ」
 「困ったな。どうすりゃいいんだ」
 「それじゃパンティ5枚買って頂戴。そしたら穿き替えて上げる」
 「そうか。それで商談成立だ」
 「穿き替えるだけよ。触っていいなんて言ってないからね」
 「まあ、先の先まで取り決めることは無いさ。交渉なんて基本方針が決まればそれでいいんだ」
 「それじゃスナックに行く前に寿司屋に行こうよ。そうすれば食べたいのだけ注文できるから」
 「それもそうだな。その方が安くつく」

 「どれにしようかな」
 「馬鹿。俺が金出すんだから俺が選ぶんだ」
 「でも私が穿くんでしょ」
 「当たり前だ。俺が穿いてどうする」
 「あんまり変なの選ばないでよ」
 「金払って買うのに変なの選ぶ馬鹿が何処にいる」
 「此処にいるわ」
 「よし。これがいいな。透け透けで面積が小さい所がいい。それからこれだ。何かゴムみたいな生地で厭らしいだろ」
 「どれ? 本当に変わってるね」
 「ゴムみたいじゃなくてゴムなんです。まあラテックスと言ってますけど」
 「ほうか。ピチャッと密着して良さそうだな。これ全部買ってやろう」
 「そんなゴムのばっか買わないでよ。第一そんなの穿いたら私のもち肌が涙を流すじゃないの」
 「肌が涙なんか流すか」
 「汗のこと言ったのよ」
 「そしたら妙子のもち肌がしっとりしてもっと魅力的になる」
 「さっきと全然言うことが違うじゃないの」
 「文句言うな。人に買って貰う時は珍しいのにしとくもんだ。こんなの自分で金出して買う気にならんだろ?」
 「全然なんない」
 「それじゃ寿司屋に行くか」
 「寿司屋のトイレで穿き替えればいいのね」
 「そうだな」
 「どれにしよう? どれにしようってゴムじゃないのは1枚しか無いじゃないの」
 「別にゴムのだっていいんだぜ」
 「厭だ」
 「まあ選択権は与えてやる。なんなら5枚重ねて穿いてもいいぞ」
 「馬鹿」
 「いくつか注文してからトイレに行ってこい」
 「それじゃ大トロと大トロと大トロ」
 「何だそれは」
 「だから大トロをいくつか握って」
 「お前大トロなんていくらすると思ってんだ」
 「時価だって」
 「中トロにしとけ」
 「ケチ」
 「あのなあ、パンティ5枚買ってやって寿司食わしてやって、それから飲みに連れて行くっていうのにケチは無いだろ」
 「人に聞こえるからそんなこと言わないでよ」
 「何がだ」
 「パンティなんて言わないの」
 「それじゃ何て言えばいいんだ」
 「下着って言えばいいじゃないの」
 「それじゃ股間に穿く下着を5枚も買ってやってだな・・・」
 「馬鹿。余計厭らしいよ」
 「いいから早く着替えて来い。遅いとトロが赤くなっちゃうからな」
 「何で?」
 「トロっていうのは時間が経つと赤身に変わるんだ」
 「嘘。本当?」
 「ああ、だから早く穿き替えて早く戻って来い」
 「食べちゃ駄目よ。私のだから」
 「食べたらまた握らせればいいんだろ。早く行け」
 「うん」


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