妙子-25
「そんなに歌ったら夜が明けて又日が暮れちゃうじゃないか」
「はあ、もうずっと貸し切りで開店してますから」
「店長さん。ひょっとしておしっこでもチビッてる?」
「いえ、ワ、私は大丈夫です」
「そうだろ。何もお前を脅そうなんて思ってないよ。妙子、お前の得意のあれ、何て言ったっけ?」
「何?」
「さー、眠って頂戴とかいう奴」
「眠って頂戴? 眠りなさいじゃない?」
「ああ、そんな奴」
「それじゃマドンナのララバイだわ」
「はいはい。いい唄でございますね。私大好きなんです、あれは」
「そうか。相変わらず調子がいい奴だな」
「いえ、本当に大好きなんです」
「だ、そうだ。おっぱい震わせて歌ってくれ」
「うん。あの人青い顔してたけど大丈夫かな」
「だからきっと1日に30品目の食品を取って無いんだろうよ。お前も俺の言う通りにしないとあんな顔色になっちゃうんだ」
「本当?」
「ああ。俺は何でも良く知ってるんだ。何しろインテリアの経験があるからな」
「そうだったね。私研の言うことなら何でも聞くよ」
「それじゃ歌ってくれ」
「はい。それじゃ研の為に一生懸命歌うからね」
「ああ」
「愛を込めてね」
「そうだ、それが1番大切だ。俺の健康はその1品目だけで保ってるんだからな」