新納麻由子(43)-3
既に店長は横浜入りしている。
当分つきっきりで関わるために、向こうにアパートを借り拠点にするとの話だった。
二人の間には大学生の娘がいるのだが、関西の公立なので一人暮らし中というのも、俺にとっては織り込み済みの情報だ。
少し足取りが怪しい麻由子の腰に手を回し、エスコートして歩いた。
四十三歳の脇腹は、程よく脂が乗って柔らかい。ズボンの前が突っ張って歩きづらかった。
「ヤベぇ、勃起してます。奥さんが可愛いからですよ? 触ります?」
ヤレると分かって、もはや遠慮は無用とばかり、俺は卑猥な言葉を吐き続けた。
「いやらしい……寿くん年上好きなの? 親子くらい年違うのに……」
「むしろ若い子は食べ応えないっす。俺、結構ねちっこいセックスするんで、奥さんくらい大人な女性じゃないとついて来れないんですよ。あ、それとも奥さん、ガンガン激しいのが好き?」
「そんなん分かんない……」
目視でも見て取れるジーパンのもっこり具合に興味津々の麻由子は、そっと手を這わせて確かめた。ごくり、と生唾を飲むのが聞こえた。
「路上で大胆ですね。もしかして奥さん、こういうの慣れてたりする?」
「そっ、そんなことないからっ!」
慌てて手を引っ込める恥じらいがキュートだった。
しかし店長とのギスギスした感じを思うと、夫婦間はレス状態に違いない。並より性欲は強くなっているであろう四十路妻が眼の前のビンビン股間に食指を動かしてしまうのは、致し方ない衝動とみるべきだろう。
門を開け、玄関に辿り着くや、俺は麻由子を抱きすくめてキスした。
「ん……ふぅんっ!」
酒臭い口と口で唾液を交換すると、麻由子は甘い声で鳴いた。
「ダメぇ……家入ってもいないのに。近所の人に見られたらどうするのっ」
鍵を開けている間も、ずっと麻由子の尻を撫で回してやった。
「ああ〜……ずっと触りたかった。ムッチムチプリプリのいやらしいケツ! 俺、仕事中もずっと奥さんのおっぱいとケツ見てたの、知ってます?」
「もうっ……こんなエッチな子だなんて知らなかった」
「もっと早く誘ってればよかったかな? その様子じゃ奥さん、相当溜まってるんでしょ」
転がり込み、靴を脱ぐいとまもなく玄関に倒れ込み、もつれ合った。
「奥さん、不倫経験あったりするんでしょ。こんなスムーズにいくと思わなかったから、もしかして慣れてるのかな〜、なんて」
「あ、ひっどぉい。尻軽だと思ったの? ないわよ最近は……」
「最近は? ってことはやっぱり、経験はあるんだ?」
アルコールの力で軽くなった口から思わぬカミングアウトだ。仕事が出来る聡明美人の不倫話とか、興奮度倍増である。