新納麻由子(43)-14
行為後の肛門というのもまた絶景だった。
赤い粘膜をさらけ出し、開きっぱなしになったそこは、グロテスクではあるが、麻由子のものと思うと例えようもない感興を催させた。
セックスのときには眼の前の女を愛することに徹する俺である。愛しいと思えば何もかもが可愛く、尊く思えてしまうのだ。
ゴムを外してゴミ箱へ放り込み、麻由子の横に寝転がった。
まだ小刻みな痙攣を繰り返し、白眼を剥き肛門アクメに浸る顔だって可愛くてたまらない。
ぐっしょりと汗に濡れた額の髪をかき分け、顔を凝視しているうち、麻由子はようやくこっちの世界に戻ってきたようだ。火星からご帰還。一足先に地球でお迎えだ。
「ヤダ、顔見てたの?」
「うん。すっげえだらしないイキ顔だったよ。写メ撮っとけばよかった」
「やめてよ……どんな顔してたんだろ、あたし……」
「白眼になって口から涎ダラダラ。こんな感じ」
俺はオーバーに変顔をして見せた。
「やめてよ、最低っ! ひっどぉい! そういうのは見ないでおくのがエチケットでしょぉ」
「俺のチンポでケツ犯されてこんな下品な顔してイッたのかって、感動したよ」
麻由子の上にのしかかり、激しくキスを見舞った。
そのまま首筋、鎖骨周りを舐め回し、乳房も。シャワーで清めたのが嘘のように汗まみれで、しょっぱくかった身体の味を貪った。
「あ、あぁんっ……」
消えかけた暖炉にまた薪をくべたも同様、麻由子の欲情が一気に再加速した。
汗の味が濃い谷間をべろべろと執拗に舌で嬲り、両手の指が乳首を転がす。麻由子は俺の頭をかき抱いて悶えた。乳圧で窒息しそうなくらい引き寄せてくる。
その拘束を逃れ、手は乳首をいじり続けたまま、舐め場所を下へ下へとずらしていった。
柔らかい脇腹、ヘソまで丹念にしゃぶって、さらに下ると縮れ毛のジャングルだ。
汗と石鹸の混じり合った香りに加え、雌フェロモン満点の淫臭が鼻腔に溢れた。
麻由子のまん臭は、磯の匂いを思わせる。形はアワビだし、これで潮でも吹かせれば海洋ずくしだ。
オクラでもぶちまけたんじゃないかってくらいねばねば汁を満たした肉溝。赤黒いひだを口でかき分け、俺は生アワビの踊り食いを楽しんだ。
──ぶじゅ、ぶじゅじゅ。
乳首と膣のダブル快感に、麻由子は大きな声で喘ぎ狂った。
ケツアクメの余韻が尾を引き、身体全体が敏感になっているようだ。いわば全身クリトリス。
それならば、真のクリトリスも愛でてやるのが筋だ。膣孔を舌でなぞりながら、鼻先をベストポジションに押し当てた。
ぐりぐりっ。軽く頭を揺すった。人間ローターの効果はてきめんで、麻由子はビクンとのけぞり、背中を浮かせた。
「あれっ、気持ちよかった? 普通にクリでも感じるんだね。ケツ穴ばっかり発達して、他はバカになってるかと思ってたけど」
「意地悪なこと言わないでぇ……クリちゃん気持ちいいっ……もっといじってぇ……」
お望みとあらば、クリ集中責めといきますか。
乳首への愛撫を中断し、俺の手はそこへ向かった。