第二話-4
「さあ、こっちも見せておくれ。」
そして、いよいよ下のパジャマへと手が伸びた。
ウエスト部分に手を掛け、尻の辺りまで一気に引き降ろすと、淡色のショーツが現れた。
「なんだ。初めてのクセに、こんなに濡らしてるなんて……。淫乱な娘だな。」
寿明の顔に、淫靡な笑みが浮かぶ──。既にクロッチ部は愛液が染み出し、恥毛が透けて見える。寿明はショーツと共にパジャマも剥ぎ取ると、両足を大きく開いた。
恥毛に覆われた秘裂はぱっくりと口を開け、ぬらぬらと光る花弁をあらわになった。
「反応は十分に大人だが、ここは未だ、固そうだな。」
花弁は未だ、つぼみのように小さく、小指さえも通らないように思えた。
秘裂へ顔を近づけ、鼻を鳴らして臭いを嗅ぐと、僅かな汗や尿の臭いとは別に、乳製品のような臭いが強くした。
それは、未成熟な女性ならではの臭いだった。
「未だ、何人足りとも到達していない娘の処女膜が、とうとう、私のものに出来るのだな。」
寿明は、史乃の秘裂に口唇を合わせる。
秘裂の襞(ひだ)の一つ々、花弁の襞の一つ々、そして皮を剥かれてあらわになった肉芽としゃぶり尽くすことで、固い花弁をほぐしていった。
その間、史乃は、快感が訪れる度に身体を何度も波打たせていた。
「さあ、そろそろ良いだろう。」
秘裂への愛撫は三十分にも達していた。
これ程、丹念に長い時間を掛けた愛撫は、寿明自身、初めてだった。
寿明は、自分を落ち着かせようと、シャツ、インナー、ズボンと、服を一枚々、ゆっくり脱いでいく。そして、最後の一枚を脱ぎ捨てた時、陰茎ははち切れん程に反り勃ち、先汁を溢れさせていた。
「史乃……。いよいよだ。」
そう言うと、ベッドに這い上がり、横たわる史乃の両膝を立てて大きく開いた。
寿明の身体が、史乃の両足の間に入り、秘裂を一層、開くと陰茎に手を添えて、亀頭を先を花弁に押し当てた。
(このまま、腰を前に押し込めば……。)
興奮はこれ以上ないほど昂り、何時、暴発してもおかしくない程、陰嚢も固く縮んでいた。
寿明の眼が史乃の顔を覗き込んだ瞬間、驚くべき事が起こった。
首から上が、存在しなかったのだ──。
「な、なんだ!これは。」
そう思った次の瞬間、寿明は大声に目覚めた。
「お父さん!ちょっと、お父さんってば!」
「はっ!」
心配気な顔をした史乃が、覗き込んでいた。
「ど、何処だ!?ここは。」
「何処って、家のリビングじゃない。」
「リビング……?お前、出掛けたんじゃ……。」
「もう八時よ!酔っ払って、ずっと寝てたの?」
判然としない意識が徐々に明瞭になり、寿明はようやく、自分が夢を見ていた事に気づいた。
「何だか、魘(うな)されてたけど、大丈夫?」
「ああ……。疲れてたんだろうな。」
額を手で掴み、こめかみを押すような真似をしながら、寿明は自分の見た夢に不安を持った。
口では、娘を性的な目で見ていた自分を恥じ、綾乃の葬儀で誓ったような父親になろうと思った筈が、その舌の根も乾かぬ内に、例え、夢の中であろうと娘を凌辱していたとは。
(いずれ、このままでは夢が現実に……。)
やるせなさが胸の中に広がり、どうしようもなくなる。
「何か、嫌な事があったの?」
父親の異様さに、史乃はそれとなく訊くが、寿明は首を横に振りながら「何でもないんだ。」と、力ない笑顔で答えるだけだった。