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魔へと溺れユく女タチ
【ファンタジー 官能小説】

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シャリィ・レアリル-6

エリザの狂ってしまった姿が見ていられなくて逃げ出した後、私はこの街で住処にしているアパートの一室へと向かった。
二人でお金を出し合って契約した部屋。
一週間ぶりともなると埃が目立つようになっていたが、気にせず私は布団で横になった。


朝になって目が覚めると丁度エリザも帰ってきた。
けども帰って最初に出た言葉は「いやー。気持ちよかったけど、やっぱ魔物様に犯される方が激しくて気持ち良いや」なんて事を笑顔で話してくる。

何処かしらエリザらしい部分は残っているけども、目の前にいるのはエリザじゃない。
もう私の知っているエリザはどこにもいないと改めて強く思い知らされた。


更に不幸は続く。
エリザと二人で冒険者の仕事を斡旋してくれる、ギルドと呼ばれる場所へと向かったのだが・・・。

どう現状を話そうと悩んでいる間もなく、エリザの腕輪を見た受付嬢がギルド長のいる部屋と案内し始めたのだ。
私もついて行くと、ギルド長は先客を追い払ってでも優先的にエリザを迎え入れた。
ギルド長がそこまでしてエリザを迎えるなんて何事かと思っていたらエリザは懐から小袋を取り出し、ギルド長へと渡すと・・・。



「確かに受け取った。ご主人様によろしく言っておいてくれ」

「・・・っ!」



ギルド長はすでに悪魔と繋がっていた。
賄賂を受け取り、魔城の事を見逃しているのだ。

騎士よりも魔物を狩る事を専門家として広まる冒険者の長が。
魔物と袖の下で繋がっているなんて想像もできなかった。

私はどうしようもなく絶望に染め上げられ・・・何も、考えられなくなった。
この調子だと騎士達にも悪魔の手が伸びているかもしれない。


この街にいてもどうしようもない。
そう思ったら私はこの世界に居場所がなくなってしまったかのような気持ちになり、フラフラと一人で歩き回っていた。

ただ、城に帰らないと悪魔になにされるか分からない。
エリザは他の場所にも用事があると言って何処かへ行ったので、私は一人で先に城へと戻る。

他の場所への用事というのは・・・やはりギルドと同じく騎士や教会への賄賂だろうか。
確認する気にもなれない。



「やぁお帰り。先に一人で帰ってきたのかい?」

「・・・・・・・・・」



空には赤い霧、周辺は毒に染まった大地に囲まれた城の入口で悪魔は佇んでいた。
悪魔への怒りや不満が沸き起こるかと思ったが・・・やはり、何も考えられない。
ギルドに手回しをされていた事や、これから起こるかもしれない事への不安や恐怖も沸かなかった。

悪魔は終始無言な私にそれ以上言葉をかける事もなく、静かに城へと向かえ入れる。

それからは食事も喉に通らず、ただ窓から外の様子を眺めていた。
とはいえ外に何かがあるワケじゃない。

窓の外は赤い霧で見張らしも悪いし、助けが来る事を期待もしていない。
何も考えられず、ただただ外へ視線を送るだけだった。


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