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魔へと溺れユく女タチ
【ファンタジー 官能小説】

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シャリィ・レアリル-5

街へ到着したのは予定通り夕方頃。
晩ご飯時だったのでいきつけの酒場へと行く事にした。

木造で、まさに冒険者たちが集うに相応しい雰囲気の酒場。
酒場だけども料理の味にも凝っていてどの料理も美味しいから私たちはよくココへ通う。
シャリィたち以外の冒険者にも人気で、量を好む冒険者たちに合わせて多めの盛り付けもしてくれるので味も量も申し分なしの酒場だ。
私は小食なのでそこまで食べないが、エリザが私の分も食べてくれるので助かっていた。
今日も余った分はエリザが片付けてくれて、こういう所は何も変わらない。

ただ・・・この酒場で唯一困るのはこの騒がしさか。
酒場だから仕方の無い事だけども常に酔っ払い達が騒いでいるので落ち着かない。

それに同じ冒険者という間柄の人達が多く集まるので顔見知りが多い。
冒険者は男性が多く、私たちを舐め回すような視線で見てくる人たちもいる。

常連は私たちにそんな目を向けても良いことないどころか、酷い絡みをすれば返り討ちに合う事は分かっている。
これでも冒険者の歴はそこそこなので男に舐められっぱなしの私たちではない。


けれどここは酒の席だ。
分かっていても酒が入ったせいで絡んでくる人もいるし、悪気がなくとも絡んでくる人も多い。



「おぉ・・・?エリザちゃんにシャリィちゃんだぁ。一週間ぶりかぁ?」

「・・・お久しぶりです、ガトスさん」



髭も伸びっぱなし、服もヨレヨレ。
まさにダラしのないオッサンといった雰囲気を全身から醸し出している人が話しかけてきた。

ガトス・レーヴァル。
身長は180cmほどと少し高め。
前衛を務める冒険者でも大剣を扱うだけあってしっかり鍛えられた肉付きだ。
冒険者として実力も確かではあるが・・・色々とダラしがない。

身なりは整えないし、酒好きで女好き。
冒険で稼いだお金はお酒か、夜の仕事をしている女性を雇っては夜を楽しむのが趣味。

普段なら少しは自重しているが、酒が入ると素が出て女性へ面倒な絡みをしてくる。



「相変わらず二人とも綺麗だね〜。エリザちゃんはスタイル良いし、シャリィちゃんは綺麗でおっぱいも大きい!違うタイプの美人が二人揃ってると酒が美味いってもんだ!」

「・・・・・・・・・」



これくらいのセクハラはいつもの事。
ガトスだけでなく男達はこれくらい普通に言ってくる。特に酒が入っていると。

相手しても仕方ないので無視する。
あまり無視しすぎると逆上する酔っ払いもいるが、ガトスはそこまで酷くない。

私たちの隣に現れて勝手に喋り、時間が立てば勝手にいなくなる。
発言こそ鬱陶しいが、無視で解決できるだけ楽なタイプだ。



「どう、一緒に遊ばない?お金弾むよ〜」



私たちを遊女とでも思っているのか好き放題喋るガトス。
普段なら無視してエリザと会話を弾ませるのだが・・・今のエリザとは話しが弾まない。

無言が苦になる関係ではないのがせめてもの救いだけども・・・。



「もー、ガトスさん飲み過ぎじゃない?ちょっと外の風でも浴びてきたら?ついてってあげるから」

「お、おぅ?そうだなぁエリザちゃんが一緒なら良いかなぁ」

「エリザ!?」



エリザが想像もしていなかった対応をとる。
普段なら彼女も同じく無視を通してガトスには関わらないようにするのに。

いや、でもコレは・・・酔っ払いを外に追い払おうとしてるのかな?
適当に外へ放り出して戻ってくれば、この酔っ払いの千鳥足じゃ酒場に戻ってくるのは難しいだろう。

エリザは席を立つとガトスに肩を貸して店の外へと連れていく。
体格差もあり、女性が運ぶのは大変だろうけどもエリザは鍛えているし酔っ払いとはいえ意識がまだあるからかそう苦には見えなかった。


ただ少し・・・違和感を感じる。
ガトスを追い払うにも私へ相談もなかったのだ。
何でもかんでも私に相談しないとダメ、というワケではないが普段のエリザなら一言「追い払ってもいいかな?」なんて声をかけてくれても良かったのに。


ここでもまたエリザであってエリザらしくない場面を見てしまうと・・・。
大した事ではないかもしれないが、不安を感じてしまう。

そうなると思い浮かぶのはエリザが魔物達と性欲に溺れた姿。
私の事を思いもせず、ただひたすら性を貪るあの姿。


嫌な予感がして、支払いを済ませるとエリザ達を追いかけていった。
酔っ払いに肩を貸すエリザの姿は目立ったのか何処へ向かったのか簡単に聞き出す事もできた。

追いかけて酒場から少し離れた路地裏へ向かうと・・・。



「あ、あ、あぁっ!!ガドスさんの、おっきぃ!!!」

「うへぇ!めっちゃ締まるぅ〜!!!」



路地裏で、服を着たままエリザとガトスが性行為に耽っていた。
器用に長いスカートをたくし上げてて、ガトスがエリザへと挿入している。

この光景は・・・昼食の時に城の食堂でも見た光景とそっくりだった。
オーガが食事の片手間にリリスを犯していたように、ガトスも片手に酒瓶を持って片手間に行為に励んでいる。
愛はなく、片手間に性欲を発散させるためだけの獣たちの交尾。

ガトスは体格の良い男性とはいえオーガほど力強くはないので、片手間に腰を振る性行為ではコヘコとした擬音がしそうなダラしのないセックスだった。
けどもエリザはリリスと同じく、男に犯される事を喜ぶ雌の顔をしていて・・・。

私はそれ以上見ていられず、走ってその場を後にした。



「どうしてっ・・・!」



どうしてこんな事になってしまったのだろう。
改めてまた私たちの日常がどうしようもなく狂わされてしまった事に気がつき、私は涙を流す事しかできなかった。


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